2017年03月22日 配信

3/15 「Funaco.3月号」表紙の「行田西FC」

やコーチしか知らないチームの裏話!

「Funaco.3月号」表紙の「行田西FC」の記事について、「トライアル」として試験的に今回限定でネットで誌面に続く裏話を披露しています。好評については継続も検討しています。

まずは、「Funaco.3月号」行田西FCの記事をチェック!

 高瀬サッカー場(タカスポ)で1月28日、小学校最後の大会になる選手も多い「関塚杯船橋市卒業生サッカー大会」で、行田西FCが11年ぶりの優勝を手にした。これまで優勝に一歩手が届かない大会ばかりだった同チームが、今大会で有終の美を飾ることができた背景には、子どもたちを鼓舞する、厳しくも温かい監督や父親コーチ陣の指導、母たちの眼差しがあった。

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6年メンバー  

 行田西FCは、1年生から3年生の低学年と4年生から6年生の高学年とでは練習内容や指導者が変わり、低学年は主に父親コーチが、高学年には父親コーチと監督が指導についている。父親コーチはサッカー経験者が主だが、自身は野球経験者なのに、子どものためにサッカーを一から始めたという人もいる。小学1年生からの入部が基本だが、入部している選手の弟などは早くからサッカー漬けの環境に置かれるため、未就学児だが自主的に入部を希望し練習に参加する子もいる。

 

山崎健太郎監督は自身も同校でサッカーを経験し、その後高校までサッカーを続け、行田西FCの指導をずっと続けているサラリーマンだ。サッカーに対する思いは強く、子どもたちを時に厳しく、時にやさしく指導、6年生になった時にチームの戦力として活躍できるようにすることをいつも念頭に置いているという。

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中央が山崎監督  

 しかし、なかなか本気にならない6年メンバーだった。全員兄や姉がいる弟の立場の選手ばかりで、リーダーシップを取りたがらない、他人任せなところがあった。高学年になればそれぞれが下の学年の見本にならなければならないことを諭され、やっと自分たちでなんとかしなければという思いが芽生え始めてきたのが5年も終わるころだった。

 母親たちもなんとかしなければという思いで、週末の練習はそれまでギリギリの時間集合だったものを、始まる1時間前には集合させるように仕向けた。

 

 「6年になってからはガラッと意識が変わりました。平日にも関わらず、自分が朝早く通勤する際に、6年が校庭で朝練をしているのを度々目にしました。自主的にしていたんですよ」と山崎監督。「うまいやつが偉いわけじゃないです。メンバーが馴れ合いにならず、キャプテンを中心にして全員に6年としての自覚が生まれるという、いい意味の意識改革がそれぞれの中でできてきたんです」とも話す。

 

 キャプテンの岩崎竜也くんは船橋トレセン(船橋市内のサッカーチームの 中から選ばれた小学4年生~6年生の選手で構成)メンバーであり、船橋トレセン内の選抜チーム「船橋FC」にも所属している。県大会などは「船橋FC」として参加するため、市内の大会しか仲間とは出られない。よって今大会が行田西FCとして仲間と一緒に出られる最後の大会だった。そのようなこともあり、6年メンバーが自主的に話し合いをし、「お世話になった監督やコーチに絶対金メダルをあげよう」という思いを全員で確認したという。

 実は足にマジックで「絶対勝つ」などの勝利への決意を書いたのは、願掛けもあったようだ。過去の大きな大会でも同じことをして良い結果がつかめたからだとか。

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 山崎監督の現役時のポジションはキーパー。冬休み中、自身の経験を余すことなく伝授し、ゴールキーパーを猛特訓していた。その甲斐あって、準決勝戦の八栄FC戦では同点でプレーが終了したためPK戦になったが、キーパーが見事2人のシュートを止めて勝利に貢献したのだった。

 

 今大会の予選から指揮を務めたのは、かつて息子が同クラブに在籍していた頃からずっと指導している阿部健一郎コーチだった。6年生が1年生の頃からずっと指導を続けていることへの山崎監督からの配慮だったのかもしれない。阿部コーチは「彼らが1年生のとき、サッカー用語の意味が分からないので、例えばディフェンスのことを『お留守番』と言って指導してきたんですよ。そんなかわいいやつらが、最後の大会で優勝をプレゼントしてくれるなんて、ほんとに最高ですよ」とうれし涙を浮かべた。

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中央でカップを持つ阿部コーチと父親コーチたち

 

試合終了のホイッスルの音が響いた瞬間は、行田西FCの6年生、下級生はもちろんだが、指導者、親など関係者一同の歓喜の瞬間であり、これまでの努力が報われた瞬間でもあった。

 

 監督をはじめコーチ陣など指導者は、子どもたちに「もう帰れ」と怒鳴ることもあったようだが、それでも子どもたちは帰らず練習を続けていたという。怒鳴られる意味を理解し、またそこに愛情を感じ取っていたからに違いないのだろう。そして「その怒鳴られてもへこたれない気持ちの強さが、中学という次のステージ、さらには今後のそれぞれの人生において生かされると信じたい。指導者や親も一緒に努力をしてきた中で、子どもたちに「負けない力」「食らいつく力」が育ったのではないかと思う」と山崎監督は話す。

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