2021年08月22日 配信

8/22(日)「船橋のなし豊水レスキュー」プロジェクト始動

市内各店で続々梨メニュー登場

 船橋市内の梨農家で深刻な被害が予想された「豊水」、「少しでも廃棄処分を少なくしたい」と市民間のSNSから立ち上がった「船橋のなし豊水レスキュー」チームのメンバーが続々と梨を商品化し販売を開始している。

 「船橋のなし豊水レスキュー」チーム開設は、今年7月にJAから市内の各梨農家に送られた通知分が発端で結成された。梨の中でも豊水に特有の症状「蜜症」が、例年よりも多く発生する見込みだという内容を受け、SNSを通じて有志を募り、組織化された。

 「蜜症」は天候不順などが原因で果実内の糖分が偏って透明化、梨特有のシャリシャリとした食感や歯ごたえが減少、さらに熟度の進行が早くなることから収穫から数日で透明化が進行、茶色に変色していく症状。食用として問題はないとされているが「腐食が進んでいる」と勘違いされたりすることで「ギフト需要などでの出荷は難しい」とされ、かねてから梨農家は頭を悩ませてきた。

 ここ数年は、特に天候不順の影響を大きく受け、特に「蜜症」の被害が大きく、農家によっては豊水収穫の5割程度で「蜜症」が出たため出荷を断念、大量の廃棄処分をしてきた過去もある。

 そうした経緯から「蜜症被害が例年以上に深刻になりそうだ」という予想を受けて「船橋のなし豊水レスキュー」を結成、飲食店や料理教室運営の主婦らが連携し、農家からその日の出荷予想から情報を得て「蜜症」梨を購入、加工に回す仕組み作りを行った。

 今年の豊水収穫が始まった8月中旬に動き出し、翌日から徐々に商品化。店頭での販売や飲食店でメニュー化され、継続的に来店客に提供できる仕組みが整ってきた。「加工に回すことで足がはやい蜜症の梨も賞味期限を延ばすことができる。また、食感が弱いという特徴もジャムやコンポートなどにする過程の焼く、煮るなどの工程で解決する事ができる」と同チームのメンバー。

 「蜜症の梨について初めて知って何か役立てないか?と今回チームに加わった。商品化する事でお客様に蜜症の事や農家がおかれている現状を紹介することができ廃棄削減に寄与するとともに、お客様にも喜んでいただけるのがうれしい」と最初に商品化に踏み出した高根台団地商店会でカフェVINE&SHRUBを営む律子さん。

芝山商店会のパン屋「アーノルドフジタカムラ」で「梨ジャムたっぷりクリームメロンパン」

 「船橋のなし豊水レスキュー」に協力している芝山商店会の中にあるパン屋、「アーノルドフジタカムラ」(船橋市芝山3-10-2、TEL047-464-6974)では、蜜症の梨を8キロ購入。その日の内にジャムとコンポートに加工し、同店の看板商品メロンパンに挟んで「梨ジャムたっぷりクリームメロンパン」(270円)として8月21日から販売を開始。

 サクサク生地のメロンパンに生クリームとカスタードクリーム、長時間かけて煮込んだ梨ジャムを3層にして挟み込み味のコラボレーションを楽しめるように工夫しているという。

 また、梨ジャムを作る工程で煮込んだ梨をバターの香るサクサク生地のデニッシュにのせて焼き上げた「梨のデニッシュ」(230円)も併せて販売開始。販売開始の初日から多くの来店客が訪れたという。

北習志野の貸衣装「きょうとや」、キッチンカーで「梨のソーダ」販売

 北習志野駅近くの株式会社フレンドが営む貸衣装「きょうとや」(船橋市習志野台2-4-22、TEL047-462-2055)の別事業態キッチンカーの「とことこ」では冷凍の梨をふんだんに使った「梨のソーダ」を8月21日から販売。

 同店のオーナー森雅美さんは、「地域の困りごとに少しでも役立ちたい」という思いから、プロジェクトに参加。蜜症の梨10キロを購入して商品化に挑んだ。

 「梨のソーダ」は、豊水を細かくブロック状に凍らせて使用。1杯のドリンクに1/2個分の果肉を使っているという。凍った梨は氷の代わりにドリンクの冷たさを維持。梨シロップをソーダで割った清涼感のあるドリンクに仕上げた。

 凍った梨を使用する事でドリンクの味が薄まるのを防ぐとともに、蜜症の特徴となる「食感の減少」を補完する。また、気温30度を超える真夏日が続くこの時期に合わせてシャーベットのようにして梨を食べる事で体を冷やす働きもあるという。

 「特に宣伝しているわけではないのですが、お店のInstagramやFacebookなどの投稿を見て朝から多くの方が梨のソーダを召し上がっていかれます」と同店スタッフ。

 営業時間は。10時半~16時半。木曜日定休。

アーノルドフジタカムラ
芝山団地の名物DJパン屋「アーノルドフジタカムラ」 | みんなで船橋を盛り上げる船橋情報サイト「MyFunaねっと」

株式会社フレンド「きょうとや」のとことこ
北習志野の衣装レンタル「フレンド」がコロナ自粛対策で新事業、キッチンカーでバナナジュース販売を開始 | みんなで船橋を盛り上げる船橋情報サイト「MyFunaねっと」

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 梨ジャムたっぷりクリームメロンパン

  • 煮込んだ梨のをふんだんに使った梨のデニッシュ

  • 貸衣装事業の「きょうとや」が始めたキッチンカー「トコトコ」

  • 蜜症梨の甘みを活かした梨のソーダ、氷の代わりに凍った梨が入っている

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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