2016年03月11日 配信

3/11(金)船橋から「復興支援の牡蠣」買付けに

被災地域の見学や、復興の最前線を体験

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大漁プロジェクトの阿部代表を囲んで、実行委員会メンバー  

       
 船橋市の飲食店10店舗で3月11日に行う「石巻の牡蠣を食べようの会」で提供する牡蠣の仕入れを行うために船橋市内の飲食店経営者らが3月10日未明に船橋を出発し、宮城県石巻市を訪問している。

 石巻の牡蠣を食べようの会は、焼き鳥居酒屋の伏見屋(船橋市二和東6-17-37 TEL047-447-1355)オーナーの伏見太郎さんが発起人となって船橋市内の飲食店の間で広まってきた継続可能な復興支援企画。

 3年前の2014年3月11日、伏見屋で石巻産の牡蠣100個を来店客に無料提供したことからはじまった同企画。昨年は、6店舗600個の牡蠣が復興支援の目的でふるまわれ、今年は10店舗が参加し1100個の牡蠣をふるまう予定だ。

 10日未明に2便に分けて雨天の中出発した伏見さん一行。早々に石巻に到着し、現地で朝食をとろうと餃子店、珈琲店、定食屋などが出店する「石巻まちなか復興マルシェ」(石巻市中央2-11-13)を訪問。しかし、石巻まちなか復興マルシェはその役目を果たし2015年11月30日で、営業を終了していた。

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石巻漁市場すぐ隣の「斉太郎食堂」  

 地元の観光案内所で情報を得て、早朝から営業している石巻魚市場の「斉太郎食堂」朝食をとると、大漁旗のデザインを活かした雑貨販売で知られている「funade-結日丸(むすびまる)-」を訪問した。結日丸は、災害ボランティアで石巻にやってきた田中鉄太郎さんらが立上げたブランド。

 また、牡鹿半島の蛤浜にある「カフェ はまぐり堂」は、小さな集落を復活させようと取り組む、亀山貴一さんのもとにやってきたボランティアがスタッフとして定着し、牡鹿半島を訪れる旅行者たちに癒しの空間を提供している。

 古民家をうまく活かしたカフェは時間が経つのを忘れさせる魅力があり、多くの来訪者がゆっくりとした時間を過ごしていく。同カフェの別館には、結日丸の作品を含め、石巻界隈で作られた作品が展示販売されている。

 このように、ボランティアで同地にやってきた若者が震災後にそのまま居つき、起業したり街づくりに積極的に参加している例が増えているという。そして、それらが有機的に結びつくことで相乗効果を生み、新たな観光資源へと進化を遂げている。

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古民家を活かした「カフェはまぐり堂」。カフェメニューに加え
店内では石巻の作家が作った
作品が展示販売されている
 

日本酒の蔵元 墨廼江酒造の震災復興

 震災当日、80センチの津波が押し寄せてきたという墨廼江(すみのえ)酒造では瓶詰めし、出荷するために積み上げられた日本酒に従業員みんなで登り難を逃れた。震災で工場の修繕や商品の補てんなど被害の復旧に8000万円~1億円程度かかった。

 5年間かけて設備を少しずつ修繕してきた。「この5年間で一番公助の後押しを感じたのは震災直後から1年くらい。全国の人からの応援もたくさん感じた」と、社長の澤口康紀さん。

 「震災をきっかけに東北の蔵の日本酒を飲んで応援しようというムードができた。久しぶりに日本酒を飲んだ方や若い方も日本酒の良さを見直してくれるようになった」とも話す。今後の目標について「品質向上を真摯に行っていく事が皆さんへの恩返ししていきます」と力強く話した。

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石巻の蔵元・墨廼江酒造では震災から5年の足取りを聞く
 

牡鹿半島小網倉浜の大漁プロジェクト

 「震災の復興っていうか、そんなのは震災から3年目くらいで終わっているんだよね。余計な堤防を数十人しか住んでいない浜に何億円もかけて建設してくれなくても良いから、復興支援ではなく、自分たちのやっていることをちゃんと評価してもらって、仕事で付き合っていきたいんだよね」と、大漁プロジェクト代表の阿部さん。

 大漁プロジェクトでは震災直後、津波で流された牡蠣やホタテ、ほやの養殖用いかだを復旧するためインターネットで資金を募った。「俺らはさ、なんにも知らないから色んな人たちに騙されたりしたんだろうな。インターネットで1000万円くらい集めたんだけど、ホームページの開設費用、一口オーナーの人に返す返礼品…結局、何にも残んなかったんだよね」と話す。

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地元の名産品牡蠣をふんだんに使った食事に舌鼓を打ちながら
大漁プロジェクトが過ごしてきた5年間を振り返る
 

 また、「向かいの島は3人の人が島の復旧の為にって資金集めを始めて1億5000万円も集めたんだけど、喧嘩別れしゃったし。結局、島に何にも関係ない人が会社つくって運用しているみたいだっちゃ」と5年間を振り返る。

 「でも、こうやって船橋の人らが来てくれて、牡蠣を買ってくれたり、釣り船使ってくれたり…13日には北習志野のイベントにも毎年呼んでもらえる。それだけでもインターネット使ってよかったのかもね」と笑顔で話す。

石巻市牡鹿半島の小網倉浜では、漁師たちの生産設備もほぼ震災前の水準に近いところまで復旧しつつある。「これからは、うちらがとった牡蠣やほや・イワシ・サバ・カツオ・ワカメなんかを船橋の人らにも食べてもらいたいねぇ。本当においしいものを頑張って作っているから、それが恩返しにもなると思っているんだ」と、大漁プロジェクトの杉山さん。

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浜は、津波と地盤沈下の影響で震災前の形とは全く変わってしまった 夕方からの石巻の牡蠣を食べようの会に間に合わせる為、
全員総出で6時半から牡蠣の積み込み作業に没頭
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 震災被害の甚大だった石巻は着実に復興している。国の力も自治体の力もあるが、苦境に負けじと自分たちのすべきことを見据え、力強く日々を生きている人たちの力で前に向かって進んでいる。

 「石巻の人たちにふれて逆に力をもらった。僕たちは、誇りを持って仕事をしている被災地の人たちの仕事をきちんと評価して、ビジネスのパートナーとして復興に力を貸していく時なんだと思いました」と「石巻の牡蠣を食べようの会」実行委員長の伏見さんは牡蠣の買付けを通じて見てきたもの、経験してきたことから感想を話した。

3月11日に市内飲食店10店舗で行う「石巻の牡蠣を食べようの会」記事はこちら

http://myfuna.net/reg/press/navi/2016/03/01204102.html

3月13日、大漁プロジェクトも参加する「花いっぱいim習志野台」記事はこちら

http://myfuna.net/reg/press/navi/2016/03/01124948.html

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

MyFuna編集部

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