2024年09月21日 配信

かつて、ひきこもりだったという店長の山中さん(右)

9/21(土)高根台にひきこもりだった人たちが運営する「カフェ コッソリ」

ビーガンやひきこもり相談で身体と心に優しい空間を提供

 北習志野駅と高根台団地の中間あたりの住宅街一角に「ひきこもりが本気で心と向き合ったらこんな社会貢献のお店ができました」と、看板に掲げる「カフェ コッソリ」(船橋市高根台4-22-6)が9月21日までをプレオープンとし、グランドオープンに向けて準備を進めている。

 「共に」という意味の「Co」、香味野菜の料理ベースになる「Soffritto」からなる「Co Soffritto(コ・ソフリット)」を店名に。「この場所(ベース)から共に成長していこう、可能性を広げていこうという思い」を込めている。

 オーナーの山田賢明さんは日中一時支援事業所「ララホーム」(船橋市前原西1)を運営する経営者、カフェは別会社として開業。「Co Soffrittoだと読めないと思ったのでコソフリット…から、コッソリと命名。スタッフも賛同してくれた」と店名の由来について話す。

 「あえて、スタッフの皆がひきこもりだった過去を前面に出すことで前向きなチャレンジを応援したい、彼らのチャレンジに勇気付けられてほしいという願いがあります」と意気込む。従業員の全員が当事者、もしくは元当事者だという。

 店舗面積は約17坪。大きな壁一面がパステルカラーの水色になっているチョークボードを配置、落書きスペースとして子どもたちに開放する。

 躯体を支える無骨な柱は、木をモチーフにした装飾に変え、店の入り口から店内までの動線には古木を活かした山小屋や洞窟をイメージさせる演出を仕掛け来店者を出迎える。

 フードメニューはビーガン対応のソイミートのキーマカレーほか、ライスプレート、スーププレート、ペンネプレートなど(いずれも800円)は日替わりで提供。

 かぼちゃのガトーショコラ(420円)をはじめ、ケーキやマフィン、ゼリーなど全て店で手作りしたスイーツは13種類(280円~420円)を用意する。

 ドリンクメニューは、コーヒー、エスプレッソ(ともに400円)、コーヒーソーダ(450円)、オレンジエスプレッソ、カフェラテ(ともに500円)などコーヒーベースのドリンクに加え、オーガニック紅茶「Mighty Leaf」各種(400円)、ハーブを煮出したシロップを使った「コーディアルソーダ」(550円)なども提供する。

 「障がいを抱えた過去があるけど、福祉作業所ではない。通常の飲食店としてハイクオリティなものを提供できる店として勝負することに意味があると考えている」と山田さん。

 カフェ経営の着想は、7年前に現在店長の山中希望さんが「ララホーム」の職員志望の面接を受けに来た際に聞いた山中さんの将来の夢と、山田さんの夢を重ねたことから生まれたという。山中さんは精神疾患を患っていた元当事者でもあり、カフェ経営は現実的な目標になったとも。山中さんは高根台の紅茶カフェ「Vine & Shrub(ヴァイン エンド シュラブ)」(高根台3-3)でカフェ運営を学び、職員として開店に備えた。

 統合失調症を抱えていた川奈部大樹さんはララホームの利用者でもある。フットサルやジョギングをきっかけに症状が改善し、やりたいことを追求し出会ったラテアートを研究。月1~2回、市内を中心としたカフェ各店でのラテアート提供や体験会・ワークショップなどを通じ、経験を積み、現在、店に立っている。

 「毎日子ども食堂の開催ができたら…」との発想から「タダ飯サポーター制度」を発案。2,000円一口で1枚、5,000円で3枚、1万円で10枚食事券を発行できる。この食事券を使って無料で子どもが食事できる仕組だ。すでに、企業スポンサーも数社確定している。

 営業時間は8時~15時。水・日曜定休。問い合わせはInstagramのDMから。

カフェコッソリ Instagram

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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 完全オーガニックの「Mighty Leaf」を使用した紅茶

  • ビーガン対応で動物性タンパクゼロのキーマカレー

  • 小上がりになったキッズスペースを備える

  • 「タダ飯サポーター制度」で無料の食事提供も

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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