2020年07月04日 配信

三代目・博信さん(向かって左)、四代目の航一さん

7/4(土)津田沼駅近くの「かし熊」が100周年記念誌を作成

津田沼と100年企業の歴史を紹介

 JR総武線の津田沼駅近くで不動産賃貸・ビル管理を生業としている「かし熊」(船橋市前原西2-14-8、TEL047-475-0164)が6月、創業から100年の節目を迎え津田沼の開発と同社100年の歴史を記念誌としてまとめた。

 記念誌は、A5サイズ、16ページのフルカラー。冒頭に現在当主の博信さんからのあいさつ。創業者、二代目の紹介と続き、松戸徹市長、篠田好造商工会議所会頭ら船橋の要人からの祝辞を掲載。その後、8ページに及び津田沼駅前の発展に関する変遷やこの100年間での世界の事件、津田沼周辺の歴史、同社の歴史を年表と写真で時系列に紹介している。記念誌は200冊印刷。100冊はこれまでにかかわってきた企業や商店会メンバーなどに配布。残りの100冊は同社で保管するが、同社ホームページから見ることができる。

 記念誌によると同社の創業は大正9(1920)年6月。初代当主・椎名波太郎さん(明治24年生まれ)が津田沼駅前で食堂と雑貨販売を営む「菓子熊支店」の看板をかかげた。のちに改築し「かし熊旅館」を開業。陸軍鉄道連隊や騎兵旅団、運輸業者などで賑わう津田沼とともに事業を拡大していった。

 二代目当主の𠀋男さん(大正12年生まれ)が経営を継いだのは終戦後。旅館・飲食業だったかし熊を「割烹かし熊」として結婚式などの宴会需要も取り込みさらに事業を発展させていったという。

 昭和31(1956)年に新築した旅館が翌年3月15日に近所から出火した大火で全焼し大変な借金を負ったというが、この困難にも負けず事業を継続。事業の傍らに消防団や神社役員、PTA活動など地域の活動にも積極参加し借金を返済していった。昭和45(1970)年には事業を法人化(有限会社かし熊)。船橋商工会議所議員、津田沼駅北口土地区画整理事業の審議委員など地域での要職にも就いた。昭和55(1980)年、食品衛生功労を認められ厚生大臣表彰を受け、昭和57(1982)年には津田沼パスタビルを開業した。

 三代目の博信さん(67)は、まだ日本に入って間もない「マクドナルド」フランチャイズを同社の事業にする目的で25歳の時アルバイトをはじめ、4店舗で修行を重ね、株式会社ウイングスを創設。29歳の時に竣工された「津田沼パスタビル」には「マクドナルド津田沼駅前店」を開業。オーナーオペレーターとして勤務しつつ、41歳で同社の代表取締役に就任。消防団、PTA、商店会、街づくり協議会など地域活動にも積極的に参加してきた。

 博信さんは、津田沼パスタビル竣工後も昭和62年の「西千葉パスタビル」をはじめ、総武線沿線を中心に10棟の商業ビルやマンション、アパートを建設・取得し不動産事業を拡大してきた。

 今回の新型コロナ感染症に端を発した国の営業自粛要請を受け、4月から自主的に営業を自粛し休業した入居テナントに対して「家賃の減額」を申し出た。また、姿の見えない感染症相手の対策などで疲弊している医療機関や学校教育の現場には船橋市を通じて100万円の寄付を行うなど地域とともに対策に取り組んだ。

 既に四代目・航一さんも同社に入社して基本業務を勉強している。今秋には取締役に就任し徐々に経営に参加していく予定だという。

 「スペイン風邪の流行、関東大震災、太平洋戦争、バブル崩壊、東日本大震災そして今回のコロナショックと様々な経営危機を乗り越えての100周年は感慨深いものがあります」と、博信さん。「今回のコロナ自粛で様々な活動が中止になり、逆に時間ができたため、かねてからまとめたいと思っていた資料を集め、津田沼の歴史を振り返りまとめることができた」と笑顔を見せる。

 「創業者から『地域とともに発展する」という弊社のポリシーを貫いてきました。次の10年、20年。更なる100年に向けても社員・家族が一丸となって進んでいきます。四代目が、自身の個性とスキルを活かし、会社をどう維持していくのか楽しみです」と、次の100年に向けての期待を寄せた。同社では、次の100年に向けての事業を担う新規スタッフの募集も行っているという。詳細は公式HPから確認できる。

有限会社かし熊HP https://kashikuma.co.jp/

前原のかし熊が船橋市に100万円寄付 https://myfuna.net/archives/townnews/200513

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 津田沼パスタビルとマクドナルド(現在はフランチャイズ契約終了)

  • 100周年を機にデジタルサイネージを整備した本社の入居するビル

  • 船橋市に寄付をした際に撮影した写真

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Youtube
  • TikTok
  • Webサイト
スポンサードリンク

記事の場所