2020年05月05日 配信

店主の井相田奈美子さん(写真左)

5/5(火)坪井町のウォームハートコーヒーが八千代台に移転

身体にやさしいグラノーラの専門店として

 船橋日大前駅近くのウォームハートコーヒーが坪井町での営業を終了、八千代台駅から徒歩10分ほどの場所に移転し4月30日から手作りグラノーラのカフェ「Warm Heart Coffee(ウォームハートコーヒー)」(八千代市八千代台北12-6-3、TEL070-6630-8032)として営業を再開している。

 同店のオーナーは井相田奈美子さん(36)。八千代台駅西口から京成大和田方面に線路と並行した道を10分ほど歩いた閑静な住宅街の一角に移転した。店舗面積は約10坪、店内はカウンター4席、テーブル4席の全8席。

 昨年12月に船橋日大前駅近くの旧店舗閉店を検討していた頃、カフェ経営者仲間で「自家焙煎珈琲cafeふくろう」経営の黒沢さんから居抜き物件の紹介を受け、とんとん拍子に移転が決まったという。

 グラノーラ・ラボとして「身体は食べたものでできている」を基本の考え方に取り入れ、なるべく自然のままに近い素材を使い「コーヒー」「きなこ」「メープル」という3種のグラノーラを販売する。価格は1食目安が40gで200円から。100g(500円)、300g/(1400円)も販売している。

 食物繊維の豊富なオートミールを使用、3種類のナッツ(アーモンド・くるみ・カシューナッツ)は食べやすいサイズにカット。ドライフルーツや干しブドウ、クランべリーなどの素材が持つ甘味と、ソルティーバナナの塩味を組み合わせ、酸化しにくく、過熱による劣化が少ないという「太白胡麻油」を使用しオーブンで丁寧に焼き上げる。

 「お店は幸せを提供する場所。疲れたときに甘いものを食べたい、おいしいものを食べたいと思ってご来店してくれます。だから、しっかりと甘みも感じていただけるように心掛けています」と、砂糖を不使用ながらもオーガニックメープルシロップで甘みを感じさせる工夫をする。

 井相田さんは、2014年に旧「ウォームハートコーヒー」を自身の手によるDIYで開業。ラテアートや店で企画するイベントなどで人気を集め、たちまち繁盛店になった。また、船橋のカフェ経営者らと船橋をコーヒーの街にを合言葉に「船橋珈琲タウン化計画」を立ち上げ、西武百貨店や東武百貨店で「船橋珈琲フェスティバル」を開催するなど地域活動にも積極参加した。

 大手企業からもラテアートワークショップ講師の依頼を受けるようになり、愛らしいルックスにUCC全国コンテスト入賞の腕前も合わせ、たちまち人気講師としてカフェ雑誌やメディアなど各方面からも注目されるようになった。

 彼女を慕って就職希望のスタッフがやってくるようになったり、講師の依頼なども増えたことから、店を開けることが増えると予測し、スタッフ教育にも力を入れていった。来店客も固定のファンも増え、店の売上も徐々に上がっていった。順調な店舗経営、仕事への充実を感じる一方で人に気軽に話せない悩みも抱えていった。

 「お客さんに喜んでもらいたい。みんなを幸せな気持ちにしたい」と、開店した同店。拡大する店の業務に忙殺され、増え続ける経費の支払いも考えながら経営を続けることに違和感を覚えるようになった「このままの状態で経営する事は正しいの?」と自問自答を繰り返した。

 「お客さんに幸せになってもらうためのグラノーラに苦しい気持ちを練りこんじゃダメ…」と、一時は閉店を考えるようにも。

 約3年前、ガンを患った父の介護をした経験から、「身体を作っているのは毎日の食べ物。普段食べているものをもっと知らなければ」と食物について勉強を重ねるようになっていた。

 「牛乳はカルシウムが豊富ってことは知っているけど、牛さんが何を食べて乳を出すようになったのかは知らない…農産物に与える肥料はどんなものを使っているの?」と様々な疑問をぶつけ、食物に関する知識を蓄えていった。

 こうした思いもあっての2020年。「何かが変わる予感がしていたんです。もうちょっと頑張れば、今が我慢する時。そうやって私たちは大人になってきたのですが、自分が幸せにならないとお客さんを幸せにしてあげられない」と感じ、移転を決意しました。

 移転後の店は、母と二人で切り盛りする。住宅街の一角に居抜きの物件。元の店舗を活かしたデザインはDIYの得意な井相田さんにはうってつけだった。「お客さんはどこを見てくれるかな?」店舗の内装を手掛けながらワクワクしたという。

 旧店舗で見かけた家族連れの様子を思い返し、「お母さんが珈琲やグラノーラを持って帰るんだったら、お子さんも持って帰れるものを」と、ぬり絵を用意する。小さな気遣いを自分のペースで発信する井相田さんの笑顔に癒されたいと、テイクアウト客は順調に訪れるそうだ。

 営業時間は、11時~15時。月・火定休。

過去の記事

坪井「ウォームハートコーヒー」のカフェ業態は4月13日まで、八千代台へ移転しグラノーラ製造ラボに

船橋西武で船橋珈琲フェスティバル、飲み比べで船橋珈琲王座決定戦も

坪井町にフェアトレードコーヒーを提供するカフェ「ウォームハートコーヒー」

 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 静かな住宅街の一角に移転した

  • 手作りの風合いを取り入れた内装デザイン

  • 女性ならではのかわいらしい雰囲気つくり

  • コロナ禍にあってカフェスペースは営業自粛、テイクアウトのみのOPEN

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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