2024年03月17日 配信

東山魁夷記念館の入り口

3/17(日)東山魁夷記念館で写真家・寺島照夫の追悼写真展

若かりし頃のキャンディーズなどの写真集まる

 2023年1月に他界した写真家・寺島照夫さんの追悼写真展「写真家・寺島照夫が捉えた一時代の象徴」が3月2日、市川市東山魁夷記念館(市川市中山1-16-2、TEL 047-333-2033)で始まった。

 寺島さんは、「集英社」(東京都千代田区)写真部でキャリアを詰んだ後、フリーの写真家として「日本コロンビア」「日本ビクター」「テイチクレコード」などのレコードのジャケット写真を手がけるなど、多岐にわたる分野の著名人の肖像を残した写真家。日本画家の東山魁夷とも親交が深く、1979(昭和54)年には戦後画壇での足跡を写し留めた「写真集 東山魁夷の世界」を刊行している。

 同写真展では東山魁夷の写真の数々はもちろん、国内外に及ぶ著名人の姿を収めた作品が集まる。

 昭和から平成にかけてのスターの写真では、キャンディーズ・ピンクレディー・松田聖子・郷ひろみ・草刈正雄・堺正章など、それぞれの10代〜20代にかけての写真が並んでいる。

 前千葉県知事・森田健作の写真は22歳の時のもので、赤いバラを手にしてポーズを決めている。また、石原裕次郎・高倉健・坂本龍一・西城秀樹・藤圭子らが大活躍していた時代の写真もあり、懐かしそうに見入っている来場者の姿が見られた。

 観覧を終えた女性は「写真の中のスターたちは、私たちが青春時代に見てきた姿のままでとても懐かしかった。東山魁夷の制作風景や欧州旅行の写真展示では、知らない一面に触れることができた。新たな視点で東山魁夷の作品を見ることができる」と話した。

 「寺島さんは、1970年代にきら星のごとく活躍したスターたちの魅力を、自然な表情の肖像写真として伝えている」と話す、同館館長兼主席学芸員の石田久美子さん。

 「その一方で、確かな技術と誠実な人柄で東山魁夷の信頼を得て、風景画家としての歩みを撮り続けた唯一の写真家となった。被写体と写真家の魂の共鳴から成る説得力ある世界をぜひ見てほしい」と呼びかける。 

 開催時間は10時〜17時。月曜休館。観覧料は一般900円、65歳以上720円、高大生450円、中学生以下無料。3月24日まで。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 西洋風の外観の東山魁夷記念館

  • 記念館。東山魁夷は戦後、市川に居を構えた

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