2024年01月30日 配信

13年ぶりの「船橋第九演奏会」

1/30(火)文化ホールで13年ぶりの「船橋第九演奏会」

「歓喜の歌」に鳴り止まぬ拍手

 船橋市民文化ホール(船橋市本町2-2-5)で1月28日、「船橋市民文化ホール開館45周年記念 船橋第九演奏会」が開かれた。

 「船橋第九演奏会」は13年ぶりで、公募で集まった150人の大合唱団と世界的指揮者・武藤英明さん、千葉交響楽団、プロ声楽家らによる演奏会に会場は満席となり、カーテンコールが10分以上続くなど大喝采で幕を閉じた。

 同ホールの業務を担当する船橋市役所の香山悠衣さんは「武藤さんからの提案もあり、文化ホール開館45周年のお祝いにふさわしい作品であることから、第九の演奏会を開く運びとなった」と開催の経緯を話す。

 船橋市民文化ホールは1978(昭和53)年7月に開館し、市民の文化芸術活動の拠点として多くの人に利用されてきた。さまざまな自主事業を実施し、市内で一流の芸術に触れる機会も創出してきた。「船橋第九演奏会」は1983(昭和58)年から2010(平成22)年まで開催されていたもので、13年ぶりの復活となった。

 指揮者の武藤さんは長崎県出身。幼少期に習志野市に移り住み、中学時代には船橋吹奏楽団に在籍。現在はチェコスロバキア在住だが、船橋吹奏楽団の指揮者を度々務めている。千葉交響楽団は千葉県唯一のプロのオーケストラ。ソリストは船橋育ちの松本直子さん(ソプラノ)、原田圭さん(バリトン)と千葉県ゆかりの小倉牧子さん(メゾソプラノ)、西村悟さん(テノール)が務めた。

 同公演のための「特別合唱団」は、昨年6月に募集が始まるとすぐに定員いっぱいになった。18~88歳と幅広い年齢のメンバーは全18回の練習に参加し、本番を迎えた。合唱指導は船橋市在住の声楽家・櫻井淳さんが務めた。香山さんは「メンバーは合唱が初めての人から第九を何回も経験されている人までさまざま。和気あいあいと練習していた」と振り返る。

 「第九」はベートーベンの「交響曲第9番ニ短調」の通称で、今年はウィーンでの初演からちょうど200年という節目の年でもある。第4楽章は日本では「歓喜の歌」として日本語でも歌われ親しまれている。武藤さんは「市民合唱団が第九を歌うのは日本だけ。第九は人間が大きな試練をくぐり抜けてきたことを実感できる曲で、人類の大きな財産の1つ」と「第九」への熱い思いを話した。

 合唱団に参加した大学生の熊谷さんは「合唱は初めて。一度は第九を歌ってみたかった」、80代女性の昌子(しょうじ)さんは「20回以上歌っている。若い人と歌えて楽しい」、高校生の息子と親子で参加した久保さんは「夢がかなった」と、それぞれ「第九」への思いを話した。

 来場した20代女性は「合唱付きの第九は初めてで迫力があった」と感動した様子で話した。

 松戸徹船橋市長は開演前のあいさつで被災した能登半島に触れ「私たちが元気で息の長い支援を続けていくことが大切」と観客たちに呼びかけた。ロビーでは被災地への募金も行われた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • タクトを振る武藤英明さん

  • 熱唱する特別合唱団

  • ソリストの皆さん(左から松本さん、小倉さん、西村さん、原田さん)

  • 終演後、会場からは歓声と割れんばかりの拍手が続いた

この記事を書いた人

典子牧

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