2023年12月12日 配信

宗派の異なる僧侶が集まった大法要

12/12(火)宗派を問わず一堂に集まった「船橋仏教会」85周年記念の大法要

ピアノやマリンバの演奏で歌の奉納も

 船橋仏教会の85周年記念の講演会と平和祈願大法要が12月10日、市民文化ホール前にある浄勝寺(船橋市本町3-36-32)で行われ、約20人の僧侶と100人以上が参加した。

 昭和13年に船橋仏教連合会として結成された「船橋仏教会」。宗派を問わず、市内を中心とした約50の寺で構成され、「お釈迦さまの教えを通じて親睦を深め、地域に貢献する」ことを目的としている。

 同会は、毎年4月に北習志野の駅前商店街で釈迦の誕生を祝う「花まつり」と、9月1日に船橋漁業協同組合前で「船橋港灯籠流し」を行っている。今回は同会結成85年の節目として「心の平和 世界の平和」と題した大法要が行われた。もともと80周年記念行事として行う予定だったが、コロナ禍の影響で延期となり、今年開催することになったという。

 同会会長の上田則夫(そくふ)さんは、「世界情勢が混とんとしており、社会の不安が高まっている中、仏教の智慧(ちえ)で人々の心の不安や苦しみを和らげ、世界平和を祈願することが仏教の役割だと思う」と話す。

 記念講演会では真言宗豊山派密蔵院(東京都江戸川区)の住職・名取芳彦さんが講師となり、「心が穏やかでいられるために ~怒らない心争わない心~」の演題で講演を行った。名取さんはやさしく伝える仏教の本40冊以上を執筆し、密蔵院では仏教を身近に感じられるイベントを多数開催している人物。

 名取さんは心が平穏でない「イラッとする」ような感情がなぜ生まれるのか、ということを仏教の教えを織り交ぜてわかりやすく話した。「縁」でいろいろなものが出会い、出会うことで世の中は常に変化している。それが「諸行無常」であり、世が変化し続けているのに「こだわり」などから「~すべき」と考えてしまうと、だんだんズレが生じて「思い通りにいかない」という結果が生まれる。それがイラッとするような感情につながることなどを、時には笑いも誘って説明した。

 平和祈願大法要では上田さんが導師となり、参加者全員で「南無釈迦牟尼仏」と唱えて法要が始まった。法要ではお経を唱えるだけでなく、ピアノ、マリンバ、ビブラフォン、ベースの演奏で歌の奉納も行われた。「平和和讃」を作曲した荒木憲子さんによる独唱、仏教音楽の一種「仏讃歌」の「いまささぐ」は尼僧の大塚慈眞さんの独唱の後、参加者全員で歌った。また真言宗太鼓班による力強い太鼓の奉納も。

 「こういった大法要は初めてのこと。異なる宗派の方が集まって、このような法要を行うのは仏教界でもなかなかないこと。『いまささぐ』を皆さんに届けたくて、内容を考えてこのような形となった。皆さんと一緒に平和を祈ることができてよかったですし、仏教への興味を深めてもらえればうれしい」と上田さん。

 3人で参加したという女性は「お堂内にきれいな音楽が鳴り響いて、心が清らかになりました。楽しかった。お話もとても分かりやすくてよかった」と話した。

関連ページ:https://www.funabashi-bukkyokai.net/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 「いまささぐ」を全員で合唱

  • 記念講演会で講演した名取芳彦さん。江戸川区の学校などでも講演しているという

  • 仏教会会長の上田則夫さん

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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