2023年11月02日 配信

アカペラの「やまびこ」はやまびこの響きも表現

11/2(木)文化ホール45周年記念で東京混声合唱団コンサート

中野木小合唱部も出演

 船橋市民文化ホール(船橋市本町2-5-5)で10月28日、「船橋市民文化ホール開館45周年記念 東京混声合唱団~ふなばしから心をつなげるコンサート」が行われた。

 東京混声合唱団のコンサートが船橋で上演されるのは初めてのことで、同日は船橋市立中野木小学校合唱部が賛助出演し、美しいハーモニーに会場は酔いしれ、割れんばかりの拍手が送られた。

 主催の船橋市民文化ホールの長谷川杏珠さんは、今回の企画について「日本を代表するプロ合唱集団と市内小学校合唱部との合同演奏を実現させることで、コロナ禍の影響を最も受けた合唱愛好者の本格的な活動の後押しとなれば」と話した。

 同コンサートを企画した「すずき企画」代表の鈴木攻三さんは「45周年記念に、市民にもじっくり東京混声合唱団の歌声を聴いてほしかった。合唱を通じて人と人との心のつながりを深めていこうという思いがある」と話した。

 東京混声合唱団は1956(昭和31)年に創設されたプロの合唱団で、鈴木さんによると、船橋市の小中学校合唱発表会に約30年前からゲスト出演してきたという。コロナ禍で同発表会が2020年から中止となったが、今年11月11日に4年ぶりに開催されることとなり、今年の発表会にも同合唱団が出演予定となっているほど交流の深い合唱団である。

 今回のコンサートは第1部では世界の合唱曲を披露。オーストラリアのコンダリラ自然公園の滝をイメージした「コンダリラ(滝の精)」ではホール内の照明を落とし、男性団員はステージで、女性団員は客席から歌ではなく自然界の音を声で表すという斬新な手法で、会場は森の中にいるような神秘的な世界に引き込まれた。演奏が終わると、うなりにも似た歓声と割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

 第2部は作曲家であり、同合唱団の指揮者を務めた故林光さんが同合唱団のために編曲した曲をまとめた「日本叙情歌曲集」などから、「この道」など日本の歌5曲を披露。第3部は中野木小学校合唱部37人と「大地讃頌」など3曲を合同で演奏した。演奏が終わると同団員と客席から拍手が送られた。同小学校合唱部の指導をする生方慶子さんは「児童たちはこの日を楽しみにしていた。今までマスクをしないで思い切り歌えないつらさを感じていたので、幸せをかみしめている」と笑顔で感想を話した。

 第4部は「エンジョイ・コーラス」と称し、「紅葉(もみじ)」など馴染みの合唱曲から「瀬戸の花嫁」などの昭和歌謡も披露し会場を沸かせた。

 同合唱団のコンサートマスターの松崎ささらさんは「今はマスクを外して互いの顔を見て歌える喜びを前よりも一層強く感じている」と話し、「合唱はたとえ同じ音でも一緒に歌うことで響きが生まれる喜びがある。まずは楽しんで、互いの声をよく聴き合い、歌を聴いてくれる人を巻き込んで楽しんでほしい」とアマチュア合唱団へアドバイスした。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 演奏を終えて場内から拍手が送られた中野木小合唱部

  • 客席も使って自然の音や空気感を表現した「コンダリラ」

  • 「瀬戸の花嫁」ではデュエットも

  • 「あずさ2号」を2人(最前列)が熱唱

この記事を書いた人

典子牧

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