2021年04月30日 配信

4/30(金)スポーツ・文化・地域活動を支援する「サポタ」運用開始

通販購入が活動支援資金へ回る仕組みを構築

 船橋市内で15年前から「ヴィヴァイオ船橋サッカークラブ」を運営してきた渡辺さんが新素材メーカーと組んで開発した仕組み「サポタ」の運用が4月から始まり、船橋からスタートしたネットワークが全国に広がりを見せている。

 「サポタ」は、通販で購入した資金からスポーツや音楽、文化、福祉などの団体の活動費をねん出する仕組み。通販サイト「ビバネットワークオンライン」に団体登録すると固有のURLが発行され、団体に所属する人や卒業生が団体URLから通販サイトで商品を購入することで売上の8パーセントが所属団体の活動費として支払われる仕組みだ。また会員は、同サイトの商品を会員価格で購入できる。

 「15年間地域のサッカークラブを運営してきた。毎年春になると卒業生が出ていき、一から新規入会者を集める。一人で担当できる生徒数が決まってしまうスクールビジネスのままでは将来がないと実感していた。人とのつながりが継続的にその団体の価値になっていく仕組みを作れないかと模索してきた結果たどり着いた」と渡辺さん。

 渡辺さんは、市立船橋高校卒業生。体育大学を卒業し、特別支援学校の教員として採用され福祉の現場に。15年勤務して「知的障がいを持つ生徒とともに地域社会に貢献したい」と独立。

 2008年に「ヴィヴァイオ船橋サッカークラブ」開設。サッカーコートの管理や洗濯などの「バックヤード業務」を知的障がいを持つ人の仕事としてサッカーチームと福祉事業を併設させた仕組み「ネケッツトータルサービス」社を運営してきた。

 また、同社ではボール・ウエア・シューズ・補食などチーム運営に必要なものを周辺サッカーチームと一括購入する事で仕入れ値を抑え、会員の負担を下げる仕組みなども作ってきた。こうした渡辺さんの仕組みに参画するネットワークは全国各地に広がっていった。

 しかし、大量の受注を抱えるようになり、メーカーへの先払い資金に頭を悩ませることに。全国の仕入れを渡辺さんの会社が一時的に支払っていた為、運転資金は常にギリギリの状態が続いたという。

 転機は2018年。東京ビッグサイトで行われた猛暑対策の展示会場で新素材「フリーズテック」を開発した「リベルタ」社に出会った。水分に反応して冷たさを感じさせる素材を使ったインナーシャツに感動し全国のサッカーチーム、スポーツチームに紹介した。猛暑に悩むスポーツの現場からは当然のように多くの発注が舞い込んだ。しかしここでも資金繰りの問題に直面。

 スポーツ業界の現状、猛暑の状況下でのスポーツなどの課題について「リベルタ」との協議を重ね、同社の理解を得て「VIVAネットワーク株式会社」を共同設立。「リベルタ」社で製造した商品を含めこれまで「ネケッツトータルサービス」で扱ってきた商品なども「ヴィヴァネットワークオンラインストア」で購入できるようになった。

 「ヴィヴァネットワークは、イタリア語の『VIVA』から命名しました。『万歳』とか『喜び』とかそういった意味の言葉。チーム運営に苦しんでいるスポーツチーム、文化や福祉の団体みんなが喜んでくれる仕組みがやっとできました」と、15年にわたる苦労の日々を振り返る渡辺さん。

 ヴィヴァネットワークオンラインストア https://store.viva-network.net/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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