2023年10月17日 配信

公開医療講座のようす

10/17(火)きららホールで船橋市立医療センター40周年記念公開講座

地域医療連携などについて講演

 船橋市民文化創造館(通称:きららホール。船橋市本町1-3-1 FACEビル6階)で10月12日、「第49回船橋市立医療センター公開医療講座 開院40周年記念公開医療講座」が開催された。

 船橋市立医療センターは1983(昭和58)年10月に開院し、今月で40年を迎えた。同院では地域の人が参加できる公開医療講座を年4回実施している。通算49回目となった今回は、開院40周年を記念しての公開医療講座となった。

 講座第1部は副院長であり患者支援センター長の茂木健司さんが「地域医療連携と患者支援 この10年」について講演した。

 同院は2010(平成22)年、地域において医療の中心的な役割を果たす「地域医療支援病院」に認定された。茂木さんが束ねる「患者支援センター」は「地域医療連携室」「がん相談支援センター」「入退院支援室」の3つの部署を持つ。

 茂木さんは「少子高齢化が進む日本では医療機関を効率良く運営して、今まさに医療が必要な人が必要な医療を受けることができるシステムが必要とされている。住み慣れた地域で自分らしく生きていくためには、地域ぐるみで支える『地域包括ケアシステム』が必要があるが、そのためには地域医療の連携が絶対に必要」と強調した。

 茂木さんは「患者を受け入れるだけでなく『患者支援センター』で地域のクリニックと強く連携して治療していくシステム作りを進めてきた。2014(平成26)年発足当時は、センターに所属するメンバーは12人だったが、現在は44人とかなり力を入れている」と話した。

 講演のなかでは、同センターがどのように地域のクリニックとの連携を築き、連携医登録システムを運用して地域で患者をサポートしているかを説明した。「医療センターとかかりつけ医の2人主治医制を推進している。退院する患者への支援にも力を入れている」とも。

 2部では診療局技監 兼 呼吸器内科部長 兼 感染制御室長の中村祐之さんが「新型コロナウイルス感染症 ~3年半の当院におけるパンデミックとの戦いとこれから~」について講演した。

 中村さんはコロナ禍において「丸山院長の『病院全体で対応する』という宣言のもと、一致団結して全体で情報共有し各課の協力が得られたことは本当にありがたかった」と振り返った。「船橋市の協力でいち早く市内のホテルの客室が患者用に確保されたのも大きな力となった」とも。

 さらに、「2021年9月の第5波の時期は正に悪夢であった。重症患者にベッド数が足りず命の選択をしなければいけない時期が何週間も続き、その後、感染力が非常に強い第6波のオミクロン株の時期は、家族内感染したスタッフの欠勤者が多く、苦境を強いられた」と振り返りながら、当時どのようにコロナ患者の治療にあたってきたかを、写真などを使って説明した。

 「コロナは『減衰振動』という徐々に減る傾向にあると予想されているが、今後もワクチン接種、手洗いと換気は必要」と中村さん。

 同院は2027(令和9)年に新病院が完成予定だが、来場者から「今後どのようになるのか」という質問に「今回の時期を経たおかげで、パンデミックに対応できるよう、患者の動線を分けるなどの設計に見直されている」と答える場面もあった。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 開会の挨拶をする丸山院長

  • 地域医療についての講演する茂木さん

  • 「患者支援センター」についての講演

  • パンデミックとの戦いについて講演する中村さん

スポンサードリンク

記事の場所