2023年10月10日 配信

二宮神社独特の「大黒舞」

10/10(火)きららホールで二宮神社の神楽上演

船橋の伝統芸能に大きな拍手

 船橋市民文化創造館(通称:きららホール。船橋市本町1-3-1 フェイスビル6階)で「第11回船橋のたからもの! 船橋の郷土芸能 二宮神社の神楽(かぐら)」が上演され、多くの市民が鑑賞した。

 二宮神社(船橋市三山5-20-1)の神楽は1月15日と10月16日の例祭には神楽殿で、2月の節分には社殿で演じられる。「きららホール」では2011年から毎年10月に「ちょっとよりみちライブ」の特別公演として市内の神楽を解説付きで鑑賞できるようにしている。

 演目はお囃子に始まり、現在伝えられている16座のうち8座の神楽が演じられた。特に重要とされる「三座」と呼ばれる3つの演目のうち「猿田彦神笹引舞」(さるたひこのかみささびきまい)、「翁神四方加多女舞」(おきなかみしほうかためまい)の2座が演じられた。 

 1部の最後には、市内では二宮神社だけで演じられる、頭は猿、胴は狸、手足は虎、尻尾は蛇の「鵺(ぬえ)」を源頼政と猪早太が退治する「源三位頼政鵺退治舞」(げんざんみよりまさぬえたいじまい)が披露された。

 「天狐舞」(てんこまい)では長谷部粋大くん(高校1年生)と本宮拓己くん(中学3年生)が切れの良い舞を披露した。「寿獅子舞」(ことぶきししまい)は勇猛な獅子とひょうきんな道化に会場は笑い声と拍手で沸いた。

 親子で鑑賞に訪れた小学5年生の淡路悠仁くん(習志野台在住)は、「郷土資料館(薬円台4-25-19)で神楽の展示を見て興味を持った。神楽はすごい!」と目を輝かせた。湊町在住の福田日出子さんは「福島出身で子どもの頃から神社の神楽は親しみがあった。若い子や女の子もいてほっとした。先が楽しみ」と話した。

 二宮神社の神楽は、神社に奉納する厳粛な面と祭礼における娯楽性を持ち、長い間に独特の工夫や特色をもったもので、氏子を中心とした「二宮神社神楽はやし連」により引き継がれている。毎週金曜日の夜には同神社の社務所で練習し、メンバーは現在18人。小学生5年生から70代と幅広い年齢層で、なかには親子で参加しているメンバーも多い。

 祖父が神楽の師匠であり、親戚、家族も神楽に携わっている長谷部亮さん(三山在住)は「楽譜や台本などはなく自分も口伝で教えられたので、口伝を大事にしていきたい」と話した。「神楽は日本史に基づいたものでコミカルなものもある。実際に見て、想像しながら楽しんでほしい」とも。

 同上演の最後に「二宮神社神楽はやし連」の一同がステージにあがり、副楽長の長嶋和夫さんは「ぜひ神社にきていただき、見ていただきたい」と挨拶をした。また、小学生から高校生までの若手5人が紹介されると会場から大きな拍手が送られた。

 今回の同企画を担当し、今日の司会進行も務めた「きららホール」の鳥居柚加さんは「伝統のあるものには力があると感じた。子どもたちも引き継いでいてすばらしい」と話した。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 市内では二宮神社だけで演じられる「源三位頼政鵺退治舞」(げんざんみよりまさぬえたいじまい)

  • 10代の二人が舞う「天狐舞」

  • コミカルな「猿田彦神笹引舞」(さるたひこのかみささびきまい)

  • 「二宮神社神楽はやし連」の皆さん

この記事を書いた人

典子牧

典子牧

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