2023年10月10日 配信

真剣に作業するデイサービス利用者たち

10/10(火)船橋駅近くのドトールコーヒーショップに有償ボランティア

昨年10月からの稼働で丸1年で得た成果は

 昨年10月からドトールコーヒーショップ船橋駅南口店(船橋市本町1-3-1、TEL047-460-8522)で採用した有償ボランティア制度が丸1年を迎えた。

 同制度をとり入れた経営は、福祉と協調することやサステナブル(持続可能な、ずっと続けていけること)経営に関心の高い船橋市内の経営者間で試験的に採用されている。

 中小企業家同友会船橋支部では行政や福祉業界関係者と連携して「有償ボランティア制度」を採り入れた経営事例を勉強会内で発表するなど積極的に普及に努めている。

 船橋で採り入れられている有償ボランティアの仕組みは、店舗運営などで実際に必要となる「作業」に着目し、細分化することでデイサービス利用者にも作業可能な領域を見つけ出し分担する方法。

 店舗運営上はアルバイトスタッフが担当してもデイサービス利用者が担当しても精度が変わらない、もしくは、利用者が担当する方が良い結果になるものを依頼する。

 アルバイトスタッフは売上につながる作業に専念でき効率化が図れるとともに、デイサービス利用者は「仕事を通じて誰かの役になっている実感を得られる」と、考えられており市内経営者の間での普及が進んでいる。

 「生活のリズムにメリハリがつき、利用者の方々の表情にハリが出てきた」と、デイサービス事業所「やすらぎの森」スタッフの髙橋美智子さん。

 同店での作業は、テーブルの消毒清掃、食器を下げる業務や商品のほこりとり、サンドイッチ類を包み食べやすくする為のバーガー袋折り、観葉植物への水やり、レタスの仕込みコーヒー豆の計量など多種多様。終了した作業ごとにリストにチェックをし、メッセージアプリなどを使用して完了報告を行い共有を図る。

 作業時間は10時~11時の1時間。土日含めてほぼ毎日いずれかの利用者がやってきて作業を担当する。これまでの1年間でのべ700人を超える利用者が作業を行った。作業報酬は1作業300円、同店では現金で支給する。

 1回の訪問で作業にやってくる人数や作業内容は、現場視察と店舗側が必要としている作業をヒアリングし、利用者の身体的な状況などを加味してすり合わせして決めていく。

 「学生アルバイト1人分の作業量を利用者の方々が行ってくれるので助かっている。来店客にも『こういう社会づくりに取り組んでいるのは素晴らしいこと、こんな仕組みをとり入れてくれると自分たちの将来も明るい』とほめていただけたのがうれしい」と同店代表の梶真佐巳さん。

 今後、来店の必要がないデイサービス事務所でできる作業も依頼していくほか、スタッフと有償ボランティアスタッフとの接点を増やしていくことを検討する。お互いに助かっているのを実感してもらう仕組みについても検討しているという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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