2023年09月30日 配信

最終日の営業を終えて店頭で

9/30(土)塚田駅近くの手作りパン専門店「ボナペティ」が閉店

最終日には店頭に長蛇の列

 東武アーバンパークライン塚田駅近くで営業している手作りパンの専門店「ブーランジェリーBonAppetit(ボナペティ)」(船橋市前貝塚565⁻11)が9月30日、6年間の営業に幕をおろした。

 同店のルーツは2009年頃、店主の村山和加さんが旭町に開店させた「ボナペティ」。イートインスペースもありカフェ機能も持った約50坪の店舗だったが「すべての食材をできる限り手作りで」という情熱が村山さんに早朝から深夜までの長時間にわたる激務を強いるようになり、体調不良が原因で2012年に閉店した。

 その後、友人の店を開店支援などして休養してきたが「パンを作りたい」という衝動が抑えられず、2017年7月に現在の場所に「ボナペティ」を再稼働させる。製造・販売のみに絞り看板商品の「クロワッサン」、オリジナルの具材を使った「カレーパン」、スイーツ系のパンなども提供した。2号店は売場3坪、厨房7坪の小規模な店舗。

 「できる限り手作り」の基本路線はそのままに、営業した同店には根強いファンが定着していった。好きだからこその無理を案じて長女の新岡日輪子さんが経営に合流。

 看板娘として店頭での接客・販売、配達や移動販売を担当した。臨月まで店頭で接客していた日輪子さんの次女出産時には「長女出産記念セール」も実施。二人三脚で営業してきた2号店は多くの常連客に囲まれ順調に成長していく。

 深夜からの仕込みなど激務は村山さんの体力を奪っていく。体調が万全ではない日が目立つようになり、営業時間や営業日数などの見直しで対応したが養生に専念するために閉店を決意したという。

 村山さんのパン作りは鎌ヶ谷大仏駅近くの「サンエトワール」で冷凍生地のパンを扱うところから始まった。ここでの経験をいかし大久保学園に転職、粉から生地を作る技術を身に付けカスタードクリームなども手作りで作るようになりパン作りの楽しさを知った。

 初代「ボナペティ」を創業する時には、村山さんの技術にほれ込んだ常連客からドイツ製のパン焼き窯をプレゼントされた。高熱で一気に焼き上げるデニッシュ生地は店の名物になり近隣主婦や散歩途中に訪れる高齢者からも好評だった。1号店を閉めるときにパン焼き窯は別の経営者に譲った、今は静岡県で大切にされているという。

 「こんなにたくさんの人に愛されていると思ってもみなかった。個人店なのでお待たせすることもあったけど、お客さんは嫌な顔一つしないで待っていてくれるようなお店だった」と、大好きなお店での時間を振り返る。

 急に飛び出した閉店話、しばらくの間は静養に専念するという。店舗は「自分でパン専門店を経営したい」と考える人がいたら機材ごと居ぬきで譲ることを検討している。「譲り受けを希望している人がいたら店のインスタグラムからダイレクトメッセージで相談してほしい」と村山さん。

ボナペティInstagram

東武線塚田駅前に2つの新店、不動産会社跡にパンと丼のテイクアウト専門店

旭町のパン屋「ボナペティ」跡地にデイサービス「爽やかな風」-鎌ケ谷の社会福祉法人が開設

子育てママ必見!絵本の読み聞かせとパン作り体験イベント開催 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 最後の仕込みをする村山さん

  • 店主の村山和加さん(写真左)と長女の新岡日輪子さん

  • 閉店を告げる店頭ポスター

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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