2022年12月23日 配信

 学芸員の畑山智史さん

12/23(金)飛ノ台史跡公園博物館で「ガッコウの下の遺跡-船橋の縄文時代中期」開催

122点の土器と化石など展示

 飛ノ台史跡公園博物館(船橋市海神4-27-2、TEL 047-495-1325)で現在、「学制150年記念展 ガッコウの下の遺跡―船橋の縄文時代中期」と題した企画展を開催している。

 同展は、今年度が学制150年にあたることを記念したもので、船橋市内の学校の歴史をたどるとともに、学校の下から見つかった遺跡に焦点をあてている。同市は遺跡の数が206地点と千葉県内でも特に多い地域だが、そのうち50カ所が学校の地下や隣接地にある。

 その中から高根木戸遺跡 (高郷小学校)、中野木台遺跡(中野木小学校)、沢之台遺跡(七林小学校)で発見されたものを中心に、縄文時代中期(約5000~4000年前)の土器122点、磨製石器など数十点を展示している。

 学芸員の畑山智史さんは「見どころの第一は土器の数です。これだけの点数を船橋で展示したことはありません」と話す。この時代特有の装飾豊かな土器が年代ごとに並べられ、縄文時代中期1000年間の造形の変化を見比べることができる。縄文土器の模様にも流行があったという。

 土器の大半は、ガラスケースに覆われていない露出展示となっており、間近で見ることができる。「この時代の土器は雲母を入れるのが特徴で、見て分かるようにキラキラと輝きます。カメラでは写し撮れないので、ぜひ肉眼で見てください」と畑山さん。

 時代が進むと皿のように浅い土器が現れ、中には赤く彩色されたものも。料理の盛り付けに使われていたと考えられるという。

 もう一つの見どころが、この時代の船橋の環境がわかる展示。当時の動物や植物の化石や、年代で変遷する石器や道具が展示されている。貝の化石の分析から、この時代には船橋駅の辺りが海岸であったことがわかると示されている。畑山さんは「このハマグリの日輪や炭酸カルシウムを分析すると、4435年前の5月13日に採ったということがわかります。他にも海水温などを知ることができ、貝はその時代を知る大切な手がかりとなります」と話す。

 「縄文時代中期には遠く離れた地方に影響を受けた土器が見られ、人や物資の移動が多かったと考えられます。また、これだけ装飾のある土器を作ったのは余裕が生まれたからではないでしょうか。食事を楽しむようなゆとりのある生活だったのかなと私は想像しています」と畑山さんは話した。

 開催は2月5日まで。開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(1月9日を除く)、12月29日~1月3日、1月10日は休館)。入館料は一般=110 円、高校生=50 円、未就学児=無料(市内在住の小中学生は無料)。1月22日は「カエルのミニ土器づくり」、1月28日は「エコクラフトを使ったカエル」のワークショップ開催(1月4日から予約開始、先着10人)。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 年代別に並べられた縄文土器

  • 盛り付け用に使われたと思われる浅い土器

  • 船橋駅付近で見つかった貝殻

  • カエルのような模様の土器

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