2022年10月10日 配信

笠原一郎さん。著書と共に

10/10(月)船橋在住の笠原一郎さんが執筆した「ディズニーキャストざわざわ日記」が約5万部の大ヒット

テーマパークでの経験を元に「仕事とは」を伝える

 船橋在住の笠原一郎さんが著者の書籍「ディズニーキャストざわざわ日記」(フォレスト出版)が今年1月に発売となり、現在6刷、約5万部発行の大ヒットとなっている。

 笠原一郎さんは山口県山口市出身で、現在69歳。一橋大学卒業後、キリンビールに入社。マーケティング部、福井支店長などを経て、その後、船橋に住む。57歳で早期退職すると「東京ディズニーランド」に準社員として入社し、65歳で定年するまで約8年間にわたりカストーディアルキャスト(清掃スタッフ)として勤務した。

 それまで、「物書き」のような経験はして来なかった笠原さんだが、2018年、65歳での退職後、「カストーディアルキャストとしての経験を多くの人に伝えたいと思った」と笠原さんは話す。「最初は小説を書いて出すのがいいかと思って、書き方も知らないのに小説を書いて、新人賞のコンテストに応募しました。1回目は2次審査までいきましたが落選し、2回目も挑戦しましたが、今度は1次も通らなくて」と笠原さんは振り返る。

 その後もアイデアノートにネタを書き出したり、ストーリーを考えるなどしていたある時、笠原さんは船橋市中央図書館で「交通誘導員ヨレヨレ日記」「派遣添乗員ヘトヘト日記」(いずれも三五館シンシャ発行、フォレスト出版発売)に出合う。これらの本は、老後の働き方にフォーカスした「実話日記シリーズ」となっており、老後に経験した仕事だけでなく家族との生活など、生々しい経験を伝えているシリーズ本。シリーズ各本がベストセラーを叩き出している。

 そこで笠原さんは「三五館シンシャ」(東京都千代田区)にメールをした。小説の2回目のチャレンジに失敗した直後のことだったという。連絡すると実質1人で出版社を営んでいる「三五館シンシャ」代表・中野長武(おさむ)さんから返事があり、笠原さんは取り組んでいた小説の原稿をすぐに見せることができた。そこからトントン拍子で話が決まり、中野さんと原稿のやり取りをしながら、2022年1月、晴れて「ディズニーキャストざわざわ日記」が出版となったという。

 「私が本を出せるなんて、一生に一度のこと。だから実名で出しました」と笠原さん。「重版がどんどんかかって、今は6刷までいきました。4万8千部出ているんです」と笑顔を見せる。

 「決して夢の国で働くことを批判している本ではないんです。夢の国であろうと、仕事は仕事。働くとはどういうことかを若い人にも知っていただけたらという思いも込めています。本にも書きましたが、仕事としてトイレの掃除をしている人に『ありがとう』って言えたら気持ちいいですよね」と笠原さんは微笑み、「次の夢は、フランス語をマスターすることかな」とも続けた。

 同書は全国書店で販売中。208ページ、1430円。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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