2022年08月07日 配信

8/7(日)船橋青年会議所主催の体験講座「浮いて待て」

水難事故対策として千葉海上保安官を講師に迎えて

 海神小学校(船橋市海神2-6-5)のプールで8月6日、船橋青年会議所が主催する水難事故対策の体験講座「浮いて待て‼」が、千葉海上保安官を講師に迎えて開催された。

 船橋青年会議所は、船橋の地を「明るく豊かな社会」として実現することを理想とし、次代の担い手である責任感を持った指導者になるために活動する20~40歳の青年団体で、1970年にスタート。

 同会議所理事長の原島庸高(やすたか)さんは、「企画した当時コロナが落ち着いていたので、レジャーに行く人も増え、水難事故に遭う可能性が高くなるだろうと考え、さらには市内全学校全学年で着衣泳をしているわけではないことを知り、このような経験をしてもらったほうが事故に遭った際にも慌てないだろうと考えました」と企画の意図を話す。企画していた時期には、知床遊覧船沈没の海難事故があったのもきっかけになったという。

 最初に千葉海上保管官から海がどんなところなのか、さらに万が一おぼれてしまったらどうしたらいいのかという話があった。保管官から海とプールの違いについて質問があると、子どもたちから波のあるなし、生き物のいるいないについて声が上がった。保安官からは、大きな違いとして海には潮の満ち引きがある点が挙げられ、さらに海岸に打ち寄せた波が岸にたまり沖に戻ろうとする際に生じる速い流れ「離岸流」が発生するとの話があった。

 さらに、おぼれてしまったときは、基本は「浮いて待つ」ことが大事になると話があった。肺の空気で人間は浮くので、叫ぶと肺の空気を出してしまうので沈んでしまうという。そして、おぼれている人を見かけたら、ペットボトルを投げて持たせると浮いていられることを伝えた。アルコールを摂取した時や体調が悪い時は海に入らないこと、救命胴衣を着けると浮くので助けられるとも話があった。

 説明が終わるといよいよ実践。参加親子25組がプールに入り、プールの中で同方向に歩き、ある程度の流れができた際に逆行し離岸流を体験。参加者は逆流の中歩くことの大変さを身をもって感じていた。

 水の中での着衣については、体温を保てること、着衣により浮くこと、靴はよく浮くこと、ケガの防止にもなると説明。しかし服を着て泳ぐこと、流れに反して泳ぐことは難しいので、基本は「落ち着いて浮いて待つ」ことだと説明し、ペットボトルを抱えて浮くことを体験。

 次に、おぼれている人には浮くものを投げること、ペットボトルでもランドセル、クーラーボックス、ボールでもいいので、投げることを伝え、「中でもペットボトルにひもなどをくくりつけ、水を少し入れてアンダースローで飛ばすと飛ばしやすい」と保安官。参加者全員がペットボトルを飛ばし、ひもを引いて寄せることを体験した。

 学校で開催した着衣泳に参加できなかったので今回参加したという小室小の5年生女子は、「流れの中は動きづらく、海に行ったら離岸流に気を付けようと思った」と話し、ペットボトルは軽い力で引っ張れた。体験できてよかった」とも。同行した父親は大学の海洋学部出身とのことで、「子どもにいい経験だと思いました。学校での着衣泳ができなかったので、妻も体験させたいと言っていたので連れてきました」と話し、我が子を見守っていた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 千葉海上保安官の話を聞く参加者

  • プール内を歩いて流れを作る

  • ペットボトルを抱えて浮くことを体験

  • おぼれた人にひもを付けたペットボトルを投げて引く体験

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