2022年06月18日 配信

6/18(土)タカスポでアンプティサッカー交流し合いと体験会

切断障がい者と子どもや高齢者が一緒に楽しめるスポーツ

 高瀬下水処理場(通称=タカスポ、船橋市高瀬町56-1)で6月11日、切断障がい者らが主体でプレーする「アンプティサッカー」の交流会が開催され、関東圏中心に各所から5チーム約30人の選手が有志で参加した。

 同会の主催は、日本アンプティサッカー協会。翌週から始まるリーグ戦に向けたウォーミングアップと選手間の顔合わせ、体験会による競技の認知向上と普及を目的に年2回開催されている。

 「アンプティサッカー」とは、切断障がいや欠損障がいや機能不全を伴う障がい者が行うサッカーで従来の障がい者スポーツのような専門器具が必要なく、歩行補助具「クラッチ」を使うだけで参加できることから、「もっとも気軽に始められる障がい者スポーツ」として近年注目を集めている。

 下肢切断者がフィールドプレイヤーを担当、「クラッチ」を活用し片足でボールを扱う。ゴールキーパーは、上肢切断者が担当し片腕のみでプレーする7人制のスポーツ。オフサイドがないなど細かい部分でサッカーとは異なる。2010年に協会が設立され、本格的に選手の育成や企業との連携などが進められてきたという。登録選手は国内約100人、今年は2年に一回のワールドカップ開催年だという。

 この日の交流試合は、11時半キックオフ。30分のゲームを3本実施。客席には、家族や支援者のほかに一般客も訪れ、試合を楽しんだ。試合後14時から17時まで体験会を実施。近隣でサッカーチームに所属する子ども達20人ほどが参加した。

 「片足がない方がするサッカーなのでもっとスローペースなのかと思っていたら、スピーディーでかなり激しい接触プレイもあって驚かされました。何より、『クラッチ』を使ったアクロバティックなボレーシュートやオーバーヘッドに近いシュートなど、手に汗握る迫力でした」と、交流試合の観戦者の男性。

 この日交流試合でプレーした初代日本代表に選出された根本大吾選手(48)は、「パラ競技(パラリンピックの採択競技)ではないのでまだまだ知らない方も多い競技です。障がい者も健常者も気兼ねなく一緒にプレーできるコミュニティを作りたいと考え、小学校での体験会や講演活動などに積極的に参加させて頂き、普及に力を入れています」と話す。

 根本さんは18才で事故にあい、左足を切断。競技は10年ほど前から始めた。ちょうど、協会発足のタイミングでもあり、初代日本代表メンバーとして海外派遣も経験してきた同競技の草分け的な存在。

 アンプティサッカーは、比較的道具が安価で手に入る事、他の競技との親和性の高さなどから車椅子バスケットボール、パラサーフィン、陸上などのパラ選手も活躍しているという。実際、この日のメンバーには、陸上で2000年にシドニーパラリンピックに出場8位入賞を果たした古城暁博さん(37)も選手として出場していた。

 様々なパラ競技との連携、健常者と障がい者が一緒になって汗を流せる特性から「健常者が障がい者に合わせていけば競技場もトイレも問題ない。障がい者用トイレは健常者も使える、特別なのではなく、知らないだけ。普通に一緒にいるという環境が必要だと思う」と、千葉県内唯一のアンプティサッカーチーム「BUMBLEBEE(バンブルビー)」を経営する柏原さん。

 今後、船橋市や千葉県などにも呼びかけ少年カテゴリーや成人カテゴリー、シニアなどの各分野と連携してアンプティサッカーを活用し、幅広い年齢、障がいや健常者などの枠を超えた相互理解とスポーツ普及に力を入れていきたいと話す。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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