2022年05月07日 配信

左から、中仙丸の中村さん、大傅丸の弓削田さん、「瞬〆」の達人・大野等さん

5/7(土)「江戸前船橋瞬〆すずき」の鮮度と旨味を保つ「瞬〆」技を披露

スズキ漁獲量日本一の船橋漁港で

 漁獲量全国1位を誇る船橋産のスズキが5月から夏に向けて漁獲最盛期を迎えるにあたり、5月2日、船橋漁港内の「海光(かいこう)物産」倉庫(船橋市湊町3丁目地先)で、「江戸前船橋瞬〆すずき」の「瞬〆」技が報道関係者向けに披露された。

 船橋漁港で水揚げされるスズキは令和3年度は約512トン、漁獲高は約1億6,718万となる。近年は新型コロナウイルス感染症拡大による飲食店需要の低迷の影響もあり減少傾向にあるものの、スズキ漁獲量日本一は千葉県となり、その中でも水揚げ量ナンバーワンを維持している。

 スズキは出世魚で、生後1~2年で体長30cmくらいまでのものが「セイゴ」、40cmまでを「フッコ」と呼び、体長42~70cmで8年以上泳いでいるようなものが「スズキ」と呼ばれる。

 漁場は主に東京湾の海ほたる北側のエリアとなり、二艘まき網で漁をする。獲ったスズキはをよりよい状態で漁港へ持ち帰れるよう、船上でこまめな温度調整をしながら、乗組員が1匹ずつ手作業でアカクラゲの除去などを行ったうえで、漁港まで生きた状態で持ち帰る。

 その後、漁港の荷捌場で「魚が持っている本来の価値を最大限に引き出し、提供したい」と取り入れている技法「瞬〆(しゅんじめ)」により、スズキの血抜きと神経抜きを行い、築地、名古屋、仙台などの多くの卸売市場に出荷する。

 スズキ漁の漁獲最盛期は5月~10月となり、スズキの産卵時期に近い11月はスズキを捕獲しないという。同社・代表取締役・大野和彦さんは「スズキは減少傾向にある。持続可能な環境を守ることも私たちのすべきこと。11月は卵を持ったスズキが多いので、漁をしない。これは未来への投資でもある。もし卵を持ったスズキがかかった場合は、面倒くさがらずに網から外して海に返します。『100年漁業継続プロジェクト』が私たちのチャンレジ」と発表した。

 実演披露では、「瞬〆」の達人と呼ばれる大野等さんが技を披露。生け簀から出したスズキのエラと尾に出刃包丁を入れ、活き〆に。血がサラサラの状態で血を抜き、エアガンを使って神経を抜くという「瞬〆」技が披露された。「魚体に与えるストレスを最小限にすることで、うまみの元となるATPを残したままの状態でしめることで、うまみと食感を保って出荷できるんです」と等さん。

 同社では2008年ごろから神経抜きの技を導入し、2013年ごろには「瞬〆」スズキを商標登録。2015(平成27)年には「江戸前船橋瞬〆すずき」として千葉ブランド水産物に認定されており、これは船橋市漁業協同組合からは初となる認定品となった。

 都内の高級レストランなどからの直接注文にも対応し、「フランス料理では、魚料理となると基本的にスズキが使われているため、特にフランス料理店からの需要が高い」と開発推進本部の宗形健一郎さん。

 宗形さんは「コロナ前だと、飲食店さんの仕入れにもよく利用されている『せんどば船橋店』(船橋市宮本9-5-15、TEL047-437-1212)でシーズン時に扱っていただいてこともありました」と話す。

 「私たちの商品は、事前に連絡をいただければ船橋の本社で商品をお渡しすることも可能です。『冷凍瞬〆すずきフィレ』(半身2枚入り、3,240円)や切り身をパックした加工品(1944円~)などもありますよ」と宗形さん。

 「船橋だとスーパーにスズキが並ぶこともある。オススメの調理法は天ぷらや唐揚げ」と話すのはスズキ漁に出る「大傅(だいでん)丸」の専務取締役であり、元料理人でもある弓削田亮さん。「瞬〆すずきの場合は、お刺し身がおすすめです」とも。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 瞬〆技を披露する大野等さん。揚がってきたスズキを活け〆に

  • エアガンで神経を抜くことで、死後硬直を遅らせる

  • 日本の漁の今後について熱く話す代表・大野和彦さん

  • 瞬〆と野〆めのスズキでは、味だけでなく色味にも違いが出る

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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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