2022年01月26日 配信

宮村一之さん。事業所の前で

1/26(水)船橋・本町にうつや発達障がいを持ちつつも働きたい人をサポートする事業所

双極性障害を持つ所長が「自らの経験を共有したい」と開設

 船橋・本町通りから少し南「船町会館」の近くの一軒家に、生活訓練事業所「Epoh.Life(エポライフ)」(船橋市本町3-6-14、TEL047-406-4342)が2020年4月にオープンし、間もなく2周年を迎える。

 同所は障がい福祉サービスのひとつである「生活訓練事業所」として、「ケイヨウ ケア インテリジェント」(船橋市本町6-17-13、TEL047-423-7633)の宮村一之さんが開所。通所条件として、精神科または心療内科に通院している人が利用可能となる。症状としては、うつ、双極性障害、統合失調症、発達障害などが対象。制度上、通所可能期間は2年間が上限となる。

 通所しての過ごし方としては、データで自己分析をする「セルフモニタリングシート」の作成やWRAPファシリテーターでもある宮村さんと取り組む「WRAP(ラップ、Wellness Recovery Action Plan) -元気回復行動プラン-」をグループワークで作成したり、認知行動療法などにも取り組む。また、軽スポーツや趣味への取り組み、資格取得に向けた勉強なども可能。通所時間は10時~15時。

 「週5日来所してもいいですし、週1日でも構いません。時間についてもご本人の気分などもあるでしょうし、来られるペースで来ていただき、復職までのプランを利用者さんと一緒に考えていきます。休職中の方だけでなく、今、仕事を続けている方が有給を取って通われているケースもありますし、子育て中の主婦が、ご自身のうつをコントロールしたいと通っていただくこともできます」と宮村さん。「うつを抱えていると希望が見えなくなります。エポライフで過ごすことで、希望が見える場所になれたらいいなと思います」とも。

 同所を開設した「ケイヨウ ケア インテリジェント」は昭和44年、宮村一之さんの母・宮村イソ子さんが開業。開業当初は、一人で病院に通うことが困難な人に対し通院に付き添う家政婦を紹介する事業から始まり、現在では、訪問介護や家政婦の派遣などを主な事業としている企業となる。

 一之さんは母に続き、同社代表取締役として介護支援事業に長年従事。しかし、約10年前、周りから「宮村さん、何かおかしいぞ」と指摘を受けながらも、経営者としての責任を抱えながら無理をして仕事を続けた結果、「双極性障害」と医師から診断を受けた。

 「双極性障害」とは、活動的な状態と無気力なうつ状態を繰り返す「こころの病気」の一つ。宮村さんは2011年に初めてクリニックを受診し「双極性障害」であることを知るが、その後も強引に仕事を続けた結果、休職せざるを得ない状況にまでなってしまったと振り返る。

 しかし企業の代表である宮村さんは「自分の会社を何とかしたい」という思いから、復職を希望。そこで「リワークデイケア」のリハビリを受け、自らの障がいを知り、向き合えるようになったという。「そこでは臨床心理士についてもらい、セルフコントロールできるようになるため『認知行動療法』を取り入れ自らを知ることに取り組んだほか、WRAPのプログラムも取り組みました。自分の行動パターンや思考パターンをグラフや数値などで可視化して知ることで、行動や考え方を修正でき、自ら悪循環のパターンに陥ることをなるべく最小限に抑えられるようにもなっていったんです」と宮村さんは振り返る。

 「自分ができることは何だろうかと考えたとき、私と同じように、うつを抱えているけど働きたいと思っているような方の支援をしよう」と、この事業を立ち上げた。

 「市内の心療内科さんなどともうまく連携が取れたらいいのですが、コロナ禍で開所したこともあり、なかなかまだ横のつながりができていないなと感じています。船橋の介護福祉の業界で活動していた以前から、私は約10年ぶりに船橋に戻って来たようなものですが、船橋での障がい福祉の横のつながりも作っていけたらと思っています」とも話す。

 利用希望者はホームページ内の問合せフォームまたは電話(TEL047-406-4342)で受け付ける。開所時間は平日9時~18時。事業所見学会や「WRAP」無料体験会も行っている。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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