2021年12月07日 配信

代表の小野木大悟さん

12/7(月)船橋・金杉台でキッチンカー「縁酉-ENTORI-」始動

第1回キッチンカービジネスモデル大賞を受賞

 船橋市内の社会福祉施設に勤める小野木大悟さんが12月5日、金杉台にあるグループホーム「みかんの樹」(船橋市金杉台1-4-5)でキッチンカー「縁酉-ENTORI-」を始動した。

 小野木さんは20年、介護や障がいに関わる仕事をしてきた人物。その経験から、福祉施設の現場での人手不足の影響により外出や外食支援が思うようにできない現実を知り、最初は、誰もが来られるバリアフリー居酒屋を運営したいと思ったという。しかし、キッチンカーなら自分から施設に出向けることに気付き、小野木さんは動き始めた。

 今年の春、飲食店開業のプロデュースや、キッチンカーの製作を行う会社「ゾウケイ社」(宮城県仙台市)が行う「第一回キッチンカービジネスモデル大賞」を知った小野木さんは、同企画に応募した。大賞受賞者には、キッチンカーを1年間無償で利用できるほか、ビジネスモデルの事業化へのサポートを受けられるというもの。

 小野木さんの企画は、「社会の常識を上書きするキッチンカーのご提案」というキャッチコピーが気に入られ、受賞に至った。このキャッチコピーには、「キッチンカーを使い、なかなか理解されない障がい者施設や高齢者施設に対する近隣住民の偏見をなくし、交流が生まれる場を地域社会から作り上げたい」との思いが込められている。

 屋号「縁酉-ENTORI-」の「酉」は十二支の酉のほかに酒を意味することから、「おいしいお酒と焼き鳥で人と人の縁が繋がる」との思いも含む。

 「僕の強みは介護現場にいたこと。嚥下が低下している方にはとろみをつけたり、食べにくいものは小さくカットしたり、召し上がる方が食べやすいように提供します」と小野木さん。メニューは焼き鳥のもも、ねぎま、つくね、海老の豚バラ、ナスの豚バラなど数種類にきりたんぽも提供。

 小野木さんは「焼き鳥屋で1年半働いていた中でおいしいと思うものをメニューにしました。きりたんぽは秋田の友人の提案です。飲み物は梅酒や生ビール(クラフトビール)をはじめ、『ふくぎ茶』という島根県海土町で出合ったクロモジという木の枝を煮出したものがあります。島のハーブティーで、島内にある障がい者の就労施設で作られています。ぜひ皆さんに飲んで知ってもらいたいですね」と話す。

 キッチンカーを利用した老人施設の利用者からは「温かくておいしい」「久しぶりにお酒が飲めてうれしい」などの声が聞かれた。

 「目の前で焼くライブ感を楽しんでもらいたい。今後は施設前の路面で出店し、利用者の方も自由に出入りして購入したり、地域の方も自由に購入できる場にしたい。施設にどんな人がいるのか知ってもらうきっかけになればうれしい。また、誰もが高齢者になり、障がい者になる可能性がある。高齢者や障がい者を知ることで、見方や感じ方が変わるのではないか」と小野木さん。「ぜひ施設や、外出困難な方の自宅に『縁酉-ENTORI-』を呼んでほしい。誰もが楽しく、自分らしく生きられるような場にします。いつもの駐車場にキッチンカーが来ることで、特別感を味わってもらえれば」とも。

 出店などの問い合わせは(TEL 090-8087-5516)、メールはogohho@yahoo.co.jpまで。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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