2021年11月13日 配信

左から西田隆信さん、加納慶太さん、村瀬雄太さん

11/13(土)船橋市の梨農家「芳蔵園」が地元企業とコラボして「梨シードル」を開発

今年は2トンの梨の廃棄削減に成功

 梨農家「芳蔵園」(船橋市二和東2-7-7)の加納慶太さん、柏市の酒卸業アデカ(柏市北柏3-5-5-102)の西田隆信さん、農園PR⽀援団体ファームコネクト(船橋市二和東の3-8-30)の村瀬雄太さんが11月12日、船橋市役所広報課記者クラブ(船橋市湊町2-10-25)で「梨シードル(スパークリングワイン)」のお披露目会を行った。

 シードルとは、リンゴ・洋ナシ・和梨を原料として発酵した酒(ワイン)で、主に、スパークリングワインとして作られることが多い。今回発表されたのは、甘口タイプ・辛口タイプの2種類。

 「梨シードル」は船橋市内で生産された梨の「蜜症」と呼ばれる症状のある梨を使っている。蜜症は豊水梨で発症しやすく、果肉の一部が水浸状で柔らかくなり、梨特有の歯ごたえが失われる。そうした果実は通常出荷ができず、毎年1トン以上もの梨を廃棄せざるを得ない状況があった。

 そこで昨年、そのフードロス削減を目指して、「芳蔵園」では蜜症梨を使った「梨ドライフルーツ」を作ることを考案。密症梨は食味が落ちるとはいえ、食べることに問題があるわけではなく、蜜症はリンゴにも表れる生理障害の一つでもある。昨年、同園ではクラウドファウンディングを通し、その生産に成功した。その際クラウドファンディングを担当したのが、ファームコネクトの村瀬さん。

 加納さんは「今年の梨は豊作で、豊水の蜜症も1割程度に収まっていました。千葉県では4~5割の予想と言われていた中、結果としては少なかったのですが、来年以降も増えるかもしれず、油断はできない状況です。今年は2トンの梨の廃棄を防ぐことができました」と今年の梨の現状を話した。

 そして、今回フードロス削減第2弾がシードルとなった。同商品開発の経緯としては、サッカー経験者である加納さんとフットサル仲間だったという西田さんが「昨年、芳蔵園の加納さんがフードロスをゼロにするために密症になった梨をドライフルーツにした記事を読み、私からプロポーズをいたしました」と話す。「酒は賞味期限がなく、長く貯蔵ができる利点を話すと、加納さんからもぜひやりたいとの返事をいただけました」とも。

 西田さんは、長野県のシードル専門の酒造所「林檎学校醸造所」に試作を依頼。さらに今回も村瀬さんがクラウドファンディングを立ち上げ、11月29日まで、クラウドファンディング会社の「マクアケ」で支援購入を受け付けている(https://www.makuake.com/project/adeca)。12月から出荷を予定し、12月からは船橋市のふるさと納税品に出品するという。

 梨シードルは甘口タイプ・辛口タイプ。1本750ml、アルコール6%。料金は4950円、送料・税込み。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 甘口タイプ(左)と辛口タイプ(右)

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