2021年11月08日 配信

11/8(月)高根台公民館で「第1回町づくりサミットー高校生の私はこう考えるー」

船橋芝山高校の生徒らが地区社会福祉協議会に提案

 高根公団駅すぐ近く、ショッピングセンター「エポカ高根台」隣接の高根台公民館で、同地区社会福祉協議会主催の「第1回町づくりサミットー高校生の私はこう考えるー」を11月6日に開催、船橋芝山高校の生徒らによる街づくりプレゼンテーションが行われた。

 同地区社会福祉協会では、毎年「福祉フェスティバル」を実施してきたが、今年度は新型コロナ感染症の影響を受け規模を縮小。今回は一般公開せず、役員・理事・評議員などの関係者らに加え、プレゼンテーターの高校生らを合わせた約40人限定で開催された。

 プレゼンテーションに先立ち同高校教諭・上野剛史さんから趣旨の説明、「何故、授業の中で身近な地域課題を取り扱うようになったのか」また、「普段授業で行っていること」についての説明が行われた。

 上野さんは幼少期を高根台団地で過ごし、団地建て替え計画による住民の混乱など団地の変遷を肌で感じてきたという。この体験をきっかけに大学では都市地理学を専攻。卒業論文のテーマには「高根台団地における高齢化とコミュニティ活動」を取り上げた。

 現在、母校の船橋芝山高校で地理科を担当。「日常生活に結び付いた地域課題」に目を向け授業のテーマとして採用。「地域との連携」を掲げ生徒とともに同地区の祭りなどに参加するようになったという。

 高校生のプレゼンテーションでは、1年生の坂本真菜さんが「リノベーションをして愛着のわく団地へ」というタイトルで、古い団地を今風の間取りに変えたり、若い世代から人気の高い無印良品とのコラボによるリノベーションなどの提案があった。

 同じく1年生の松尾咲季さんは、1986年~2017年の人口データから孤独死の平均年齢を61才と紹介。40代などの比較的若い世代にも孤独死がある点なども挙げた。団地1階をフリースペースとして開放、目の前に公園を作るなど幅広い世代が交流できる仕組みをについて提案した。

 また、同高校ソフトボール部の一柳夏生さんと櫻井美和さんも無印良品とのコラボによるリノベーションを提案。ボールを使える開放感のある明るい公園の開設。子育て世代にも使いやすいスーパーマーケットの開店などを提案。

 さらに、加藤愛美華さん、源川千華さんは「みんなでつくる明るい地域」をテーマに、子育て世代への家賃割引などを適用した子育て向けの団地作り、祭りの開催などによる世代間交流の促進、若い世代に向けたSNSでの情報発信などを提案。公園に健康器具を設置することで高齢者層が外出しやすくなる仕組みも提案した。

 馬場悠樹さん、加藤璃星さん、古見ひなのさん連名の発表では、10代の若者へのアンケートから「団地のイメージ」を浮かび上がらせ、意外にもポジティブな意見が多い事を紹介。「暗そう」「古そう」「階段が多そう」などのネガティブなイメージを改善する事でイメージアップを図る事を提案。国の登録有形文化財に選出されたという「赤羽台団地」との比較で「古さ」が当時の文化を示す「歴史的な価値」である点に目を付けた保存を提案した。

 最後に3年生の山内愛華さんは防災の観点から有事におけるコミュニティの大切さを説き、「防災運動会」を提案。防災知識を身に付けられる「防災クイズラリー」、家庭にあるいもので負傷者処置に使える物品を調達する「防災借り物競争」など複数の競技を実例と共に紹介した。

 すべての生徒が発表を終えると地区社会福祉協議会を代表して山下栄子会長が感謝の言葉を伝え、同社協設立20年の歴史を刻んだ記念誌を紹介し、同団地の歩んできた経緯と現在の課題についてふれた。

 「まさに、団地が開設された当時、日本トップレベルの若き建築家たちが考えていたことを高校生から提案された。若い人たちはじめ幅広い年齢の人たちが楽しめる団地にしなければならない」と活発な提案に感動した様子で話した。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 参加者間の間隔を広くとって開催

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Youtube
  • TikTok
  • Webサイト
スポンサードリンク

記事の場所