2021年09月15日 配信

コンバイン(稲刈り機)を巧みに操作する鈴木さん

9/15(水)船橋市北部で稲刈りが最盛期

船橋産新米の出荷始まる

 船橋市の北部地域では田に黄金色の稲穂が実り、稲刈りが最盛期を迎え、9月初めから船橋産の新米が店頭に並び始めている。

 船橋では、船橋地方卸売市場の辺りから北部まで、50年以上前までは市内の至る所で稲作が行われていた。しかし、現在、田畑は宅地や商業地域に変貌し減少し続けている。「金堀町では水田を所有する農家は約30軒だが、種蒔きから収穫、脱穀、精米まで行う農家は少なくなった。事情により他の農家へ委託するなど、現在はさまざまな形で米作りを行っている」と「鈴果園」(金堀町)の鈴木正さん(66)は話す。

 鈴果園は300年以上前から続く農家で、現在は息子の明道さん(35)と共に梨も栽培している。米は千葉県が開発して昨年デビューした「粒すけ」やコシヒカリなどを金堀町、小野田(このだ)町など近隣で行っている。「今年の出来栄えは上々」と、現在、収穫で忙しい日々を送っている。

 米作りは冬の土づくりや水路の整備、春の種蒔き、5月には田植えと1年かけて行われる。現在収穫の真っただ中の稲穂はコンバイン(稲刈り機)で刈り取り、もみと稲を分ける作業も行う。コンバインに溜まったもみは穀類搬送機に移し、作業場で乾燥する。

 米作りは、作業ごとに違う機械が必要となり、それらの維持の負担は重く、栽培は天候に大きく左右される。「無事に収穫の時期を迎えられてほっとしている」と正さんは話した。

 「昔は稲穂を田んぼに『おだがけ』(稲穂の束を組んだ竹竿に掛けて干す)にして乾燥させた。乾燥機を使うようになったのは40年位前から。収穫後の水分を含んだ米を本来の味を引き出すために半日から1日かけて水分が約15%になるまでじっくり乾燥させている」と正さん。稲刈りは空模様を見ながら10月初旬まで続く。

 乾燥後は機械で脱穀、光センサーで選別を行い、玄米は30kgの米袋に詰めて出荷する。同園では一部の米は精米して市内の「MaxValu(マックスバリュ) 習志野台店」(習志野台5-39-1)に9月初めから新米を出荷し、「売れ行きは好調」と明道さんは話す。

 また、同園ではオンラインショップ (https://suzukaen.net) で新米の「粒すけ」(5kg2,980円)の販売も始めた。基本的に送料無料で販売している。

 「うちはエコファーマーの認定を受けています。土づくりにこだわり、化学肥料、農薬を低減して栽培している。おいしいと言ってもらえるように1年かけて米を作っているが、収穫して終わりではない。多くの人、特に地元のみなさんに食べてもらえると嬉しい」と明道さんは笑顔を見せる。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 黄金色に実った稲穂が垂れる

  • コンバインにたまったもみを穀物搬送機に移す作業

  • 刈りたてのもみを手にする明道さん

  • 米の乾燥から袋詰めをする作業場

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