2021年09月11日 配信

初代の味を再現した三角屋・三代目当主の渡邉貴之さん(写真右)※撮影の為マスクを外しています

9/11(土)鎌ケ谷と松戸の市境にある寿司・割烹三角屋が「初代にんじんドレッシング」

おばあちゃんの味再現でコロナに立ち向かう

 東武野田線六実駅近く、鎌ケ谷と松戸が交わる市境の三角交差点に面した場所にある寿司割烹三角屋が9月初旬、同店創業者の味を再現した「初代にんじんドレッシング」を商品化。年内にネットショップ「BASE」などを通じて販売できるように準備を進めている。

 同店の創業は、戦後の混乱期にさかのぼる。初代当主の渡邉ちよさんは夫を戦争で亡くし20代の若さで創業したという。創業の地は、現在三角屋の駐車場となっている三角地の一角。小さな小屋を建て米軍の駐屯兵相手に酒を提供し米ドルと円の為替などを利用して徐々に商いを伸ばしていったという。

 46年前に現在のビルを建て、1階はカウンター5席(現在コロナ禍で4席に減席)テーブル3セット20席。2階40~50席の寿司割烹に事業を拡大。この頃にこの世に生を受けたのが現当主で三代目・渡邉貴之さん(46)。初代のちよさんは、仕事の合間に貴之さんに地元のにんじんを使った手作りドレッシングで野菜を食べさせてくれたという。

 現在の三角屋は宴会を主軸にランチや出前なども提供する割烹料理店として地域に根付いている。しかし、昨年4月の緊急事態宣言以降に事態が急変。「来店客も宴会もまったくなくなった。もともと出前をやっていたので売上こそ通常の半分程度で済みましたが…」と当時を振り返る貴之さん。

 緊急事態宣言を受け最初に手掛けたのは、手頃な値段感の日替わり弁当。毎日6種類の弁当を用意し、1食1000円(税込み)で2食以上の注文から配達も行った。売上は上がったが従業員の生活を守るため給料実費分の仕事を工面するのがやっと。苦境は続いたという。

 次に、自前でチラシを制作。近隣にポスティングを実施。売り上げに変化はみられたものの緊急事態宣言で減った宴会分を埋めるほどではなかった。

 「何か手を打たなければ。そうだ、以前から考えていた祖母の味を再現するドレッシングをこのタイミングで商品化してみよう」と貴之さん。友人のつてを頼って商品化に向けて動き出した。

 構想は3年前からあったという。背中を押したのは幸か不幸かコロナ禍だった。それまで店での食事提供や弁当など調理が専門。商品を作って販売する事は全くの未経験だった。

 Instagramでドレッシングの商品化を公開している女性にダイレクトメッセージで教えを請い、仲間のつてを頼り厨房の改造と製造許可の知識を学んだ。パッケージデザインには友人のパン職人から知恵と人脈を借りた。商品が形になってみると1年が経っていた。9月初旬からドレッシングの店頭販売を開始した。

 「初代にんじんドレッシング」は、にんじんの甘みにカレー粉を加えエスニック風に。隠し味に胡麻を使って風味を際立たせているという。「特製タマネギ黒酢ドレッシング」は、貴之さんオリジナルレシピ。玉ねぎの風味に黒酢を加えスッキリ感を演出。白味噌を隠し味に加えていることで上品さを加えている。2つセットで2300円(税込み)現在は店頭のみでの販売。

 年内にはインターネットショッピングアプリ「BASE」内にショップを開設。現在は、通信販売が可能になるように各種調整を行っているという。

 同店の営業時間は、11時~14時半(L.O.14時)、17時~21時(L.O.20時半)※コロナ禍で16時半~19時(L.O.18時半)に時短営業。木曜日定休。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 鎌ケ谷と松戸が交わる場所にある三角屋

  • 創業者ちよさんの味を再現したにんじんドレッシング

  • カウンターとテーブル席の1階

  • 宴会ユーズで重宝される2階

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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