2021年08月18日 配信

ガマの油売り大道芸人の「下総の赤鬼総督斉」さん

8/18(水)駄菓子屋リュウ君の店オーナーが弟子を募集

コロナ禍で需要の減った「ガマの油売り」普及と存続をかけて

 船橋駅北口からほど近い住宅地の一角にある「駄菓子屋リュウ君」(船橋市本町5-11-14、TEL047-422-6002)の店で弟子を募集しているという噂を聞きつけその真相を突き止めるべくオーナーの松田さんに話を伺った。

 駄菓子屋リュウ君の店は、この時代には珍しい「昭和スタイルの駄菓子屋」。「昭和スタイルの駄菓子屋」には、これといった定義はないがインターネット等では、「上菓子(和菓子などの高級菓子)ではなく飴などの駄菓子を扱っている」「おばあちゃん、もしくはおじいちゃんが店番をしている」「引き戸」「土間」「狭いスペースに駄菓子が並んでいる」などの要件があり同店はこれらすべてを満たしている駄菓子屋だ。

 同店を切り盛りするのは松田誠さん。松田さんは、退職後自宅の一角を改装して駄菓子屋を開業。同店には「遠い親戚」だという紙芝居屋さんの水野総徳斉さんや、「友達の友達」だという絵本作家のアン・デ・マーセンマコトさん、茨城県・筑波山で「ガマの油売り口上」の免許皆伝を受けたという「下総の赤鬼総徳斉」さんなどの個性派芸人らが「所属」している。

 彼らは決して同時にステージに立つことはないが、いずれも松田さんとは深い関係にあり、気っても切りな離せない程に強い絆で結ばれているという。今回は、茨城県つくば山にある「ガマの油売り保存会」総本部から密命を受けた下総の赤鬼総徳斉さんが、コロナ禍でイベント自粛などを受け仕事が激減している大道芸人の代表として「大道芸文化の普及と持続可能な芸人社会実現」の為に立ち上がった。

 保存会メンバーは、全国83人。年齢は10代~70代まで幅広いメンバーが所属する。小学生が所属する「子どもの部」、女性らが所属する「ガマガール」に加え、定年の男性陣がメンバーの主力として活躍しているという。今回の密命では、「普及」と「存続」を目的に後継者の育成事業を立ち上げるという。

 手始めに船橋市の「駄菓子屋リュウ君の店2階に稽古場を開設。月1回18時~20時の2時間ずつ、合計8時間で免許皆伝まで至るスピードカリキュラムを用意。各回500円、10月から毎月1回のペースで開講する。

 初回講座では、ガマの油売り口上の由来と発声を受講。口上の3分の1をここで伝授される。2回目で各種道具の説明。刀による切り傷のつくり方、血の秘密という核心部分に触れ、口上の3分の1を伝授。3回目で「居合」「抜刀術」に加え口上の残り3分の1を伝授。4回目で衣装を着て実際の口上を実演する。「張り扇」「ハチマキ」「紙吹雪」「テキスト」などの七つ道具は初回受講時に松田さんが用意。衣装や刀などの道具類は受講が進む毎に徐々に揃えてゆけばよいという。

 本来は初回2000円のところ、初回から500円で受講できるようになっている。開講にあたって、松田さんやアン・デ・マーセンマコトさん、水野総徳斉さんらと脳内会議を実施。「2000円も払って受講する人、誰もいないんじゃないかな?」という消極的な意見から初回から500円での開講が即決した。

 「バナナのたたき売りの弟子募集には10人は来る、たくさん来ちゃったら稽古場が密になって困るので10人限定で募集します」と松田さん。「いま、ジャグリングやアクロバットに押されがちな古典の大道芸。日本の古典芸能を残していこうという方ぜひ参加してください」と呼びかける。

 申し込みは、TEL080-3253-0802(松田)。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • リュウ君の店オーナーの松田誠さん

  • 紙芝居をする水野総徳斉さん

  • 子ども達で賑わうリュウ君の店

  • 子ども達が夢中になる趣向が満載のリュウ君の店

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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