2021年06月29日 配信

「船橋青い空こどもクリニック」

6/29(火)米ヶ崎に医療機関を内包した医療的ケア児の支援施設「船橋青い空こどもクリニック」

夏見の小児科「トレポンテ」が7月7移転オープン

 船橋市立医療センター近くで病児保育も行ってきた小児科医院「こどもクリニックトレポンテ」(船橋市夏見町2-566)が7月7日、医療機関を内包した医療的ケアを必要とする子ども(以下医療的ケア児)の支援施設「船橋青い空こどもクリニック」(船橋市米ヶ崎町656-1、TEL 047-407-0201)として移転オープンする。

 同施設は、不動産会社「京葉エステート」(船橋市行田1-48-7)が、小児科医院「こどもクリニックトレポンテ」の院長松本歩美さんの意思を継ぎ、日本初となる形態の小児医院を作るため、移転新築工事を進めてきたもの。

 同社はこれまでも、シニア向けのシェアハウス「塚田のなかにわ」や知的障がい者と精神障がい者のための日中一時支援事業所「塚田のなかにわテラス」など、障がい者や高齢者の居住弱者のための住居や、障がい者施設を手掛けている。同社社長の高橋弘明さんは「船橋が障がい者に優しい街になることを目指している」と話す。

 そして今回、高橋さんは、松本さんとの話の中で、これまで見過ごされてきた医療的ケア児の世話をしてきた母親について、何か手伝えないかと思ったという。医療的ケア児の母親は若い時間を子どもの世話に追われ、2人目を作ることにも消極的になり、かつ高齢出産になってしまうという現実があった。松本さんはそれらをなんとか解消したいとの強い思いがあったという。

 同地は、東葉高速線の東海神駅と飯山満駅の中間の農地に位置し、「ふなばしメディカルタウン構想」が計画されているエリアになる。同エリアは医療センターや東葉高速線の新駅が誘致され、新たなまちづくりが検討されている場所でもある。

 企画・プロデュース、施工は「京葉エステート」、設計は「KEIYO DESIGN」一級建築事務所の小林千尋さん、共同設計として「JAMZA」一級建築士事務所の猪又直己さんと長谷川駿さんが担当した。

 同施設は小児科医院、調剤薬局、病児保育事業、医療的ケア児をサポートする事業の、医療と福祉の両面をサポートする。それらを、同一建物・同一事業者により運営する点が、日本初の試みであり、特徴といえる。

 一般的に医療・福祉サービスは専門性や制度面から分割される傾向にあり、子どもの身体的・精神的状態は子どもによって異なる。「それぞれに向き合い、医療と福祉を柔軟に横断しながら対応していくことが必要」との松本さんの想いに応え、機能に応じ明快にゾーニングしつつも、西側の前面道路に面して各施設の入り口をつなぐ軒下スペースは、待合時の感染リスクを抑えつつ、内外がゆるやかにつながる待合空間が実現している。

 入り口は、小児科医院の、予防接種や健康診断の来院用と一般診療や感染症の来院用で分け、さらに医療的ケア児受け入れ用入り口に調剤薬局用の入り口の4カ所になる。

 そして、軒下から建物中央のホールを介し、2階の子育てラウンジやテラスへとつながる。各施設を緩やかにつなぎ、2階ラウンジは窓からの風景を眺めながら、母たちが集いくつろげるスペースになればとの想いが注がれているという。

 診療時間は早朝7時30分~8時30分、午前9時~11時、午後15時~18時。土曜は8時30分~11時30分。日曜・火曜・祝日定休。木造2階建て。敷地面積は1186.64 平方メートル、延床面積は492.74平方メートル。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 一般診療用の待合室。広い窓から緑広がる風景を眺められる

  • 「軒下まちあい」と名付けられた縁側のような雰囲気の交流スペース

  • 2階のラウンジ。左手に見えるのはエレベーター、右手にテラスが広がる

  • 左から設計を手掛けた小林千尋さん、長谷川駿さん、猪又直己さん

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