2021年06月10日 配信

今年完成した小学校児童などに向けたパンフレット

6/10(木)「取掛西貝塚」の小学生高学年向けパンフレット完成

国史跡指定を目指す貴重な貝塚の周知を目的に

 船橋市は、縄文時代早期前半の遺跡である「取掛西貝塚」(船橋市飯山満町・米ケ崎町)を市民に幅広く知ってもらうため、第3弾となるパンフレット「取掛西貝塚 1万年前の世界をのぞいてみよう」を5月下旬から配布している。

 取掛(とりかけ)西貝塚は、市中央部の飯山満町1丁目から米ケ崎町にかけての台地上に広がる、縄文時代早期前半(約1万年前)と縄文時代前期(約6千年前)の貝塚・集落跡。全体面積は約76,00平方メートル、東京ドーム1.6個分の広さとなる。

 1999年から2019年まで、8次の発掘調査を行い、50軒以上の竪穴住居跡やヤマトシジミ主体の貝塚が発見されている。さらに、船橋市は国史跡指定を目指して2017~2019年、3か年計画で市としては初となる本格的な学術調査を実施。その結果、同貝塚は東京湾東岸部では最も古く、この時期の貝塚を伴う集落では関東最大級となることが判明した。また、「動物骨集中」といわれるシカやイノシシの頭の骨などを集めて並べ、火を焚いた跡も発見され、「動物儀礼跡」だとすれば国内では最古の事例ともなる。

 そこで船橋市は全国的にも貴重なこの遺跡を広く知ってもらいたいとパンフレットを作成。これまでに第1弾として「取掛西貝塚ってどんな遺跡?」を2019年に刊行、第2弾は中級編となる「取掛西貝塚 1万年前の貝塚からみえる暮らしと環境」を2020年に作成し、周知を図ってきた。

 今年度は第3弾として、大人だけではなく小学校児童などに向けたパンフレット「1万年前の世界をのぞいてみよう 取掛西貝塚」が完成した。「取掛西貝塚がどんな遺跡なのか、1万年前の暮らしは今と比べてどんな違いがあるのかなどを、写真やイラストなどで説明しながら、どんな暮らしだったのかイメージできるよう目指しました。市の歴史や、縄文時代の暮らしに興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください」と教育委員会文化課は紹介している。

 同パンフレットは、市内小中学校に配布して授業などで活用するほか、市役所内文化課、市民の声を聞く課、郷土資料館(薬円台)、飛ノ台史跡公園博物館(海神)、船橋駅前総合窓口センター(Face、本町)、市内出張所、公民館、児童ホーム、図書館、郷土資料館、など市内公共施設にて配布。市ホームページでも閲覧できるようになっている。

 A4サイズ8ページ、フルカラー。作成部数は15,000部。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • イラストが多く起用されている中面

  • 過去に行われていた発掘調査

  • 過去に行われていた発掘調査

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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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