2021年06月04日 配信

利用者のみなさんと竹之内幹也さん(一番右)

6/4(金)船橋・旭町の農家が立ち上げた農福連携施設「共進とまと」が直売所を新設

将来的にはカフェ運営も視野に

 船橋・旭町のトマト農家が農福連携事業として運営する就労継続支援B型事業所「とまと」(船橋市旭町4-7-29、TEL047-430-7557)が6月1日から、新たな野菜直売所を開設している。

 同事業所を経営するのは、21歳で実家のトマト農家を継いだ竹之内幹也さん。竹之内さんは高校卒業後市内の企業に就職、社会経験を積んでから就農した。就農後、縁あって障がい者の受け入れをした際、はじめはなかなか上手く作業を教えられなかったというが、作業工程を細かく分解していき、障がいを持っている人にも作業がしやすい方法を確立。福祉事業所を通して農作業を教えていくうちに、「自身で作業所を開設して、自分で仕事を教えてみたい」と昨年5月、就労継続支援B型事業所「とまと」を開所した。

 開設当初は自宅の一角にある納屋の中に事務所を間借りし、作業は農園で行っていた。ところが昨年、竹之内さんが知人に貸していた直売所スペースが空くことになり、同所に新たに建物を構え、事業所の作業スペースと野菜直売所を兼ねた場所をオープンさせた。

 ローソンLTF船橋旭町店の横に建つ白いシンプルな建物が野菜販売所兼作業所となる。「まだ完成していないので中はがらんとしてますが、野菜の直売はしていますよ。同じ旭町でお世話になっている『クローバー住販』の高橋さんに紹介してもらったハウスメーカーさんにお願いし、おしゃれな造りにしたのがこだわりです」と竹之内さん。約80平方メートルの店内では、事業所の利用者が収穫した野菜を次々と袋に詰めている。

 「今はまだ店内に何もありませんが、カウンターなども作って、直売スペースを作る予定です。もっと先には、店先にウッドデッキやオーニングも設置して、カフェもできたらいいなと思っています。生産、販売、提供までを自社でできれば」とも続けた。

 「私たちは事業所を運営していますが、社会福祉法人ではなく株式会社なので費用面の補助がなくて大変な部分もあります。それでも障がいを持つ方の労働に対し、もっと高い賃金を払っていきたい。そのため新たな商品戦略も考えているんです」と竹之内さんはさらなる考えを明かす。

 現在、竹之内さんは新たなトマト栽培の技術を習得しに島根県へ研修に頻繁に出向いているという。竹之内さんが出向くのは「農援隊」(島根県出雲市)という「アイメック(R)農法」の総合コンサルティング会社。竹之内さんは「アイメック(R)フィルムという特許がある特殊な医療用フィルムを用いて栽培するトマトは、コクも甘味もすごい。栄養価もずば抜けて数値が高く、農薬を使わずに栽培できることもあり、自信を持って提供できる」とその農法で作られたトマトの魅力を話す。

 アイメック(R)フィルムは、透析膜、人工血管、カテーテルなどの医療用製品に用いられる膜や、ハイドロゲル技術の開発を30年以上にわたり行ってきた「メビオール」の社長・森有一(元早稲田大学客員教授)さんが発明した技術。農業に向かない不毛地帯でも高品質な作物が生産できるという特徴もある。

 「アイメック(R)フィルム栽培の導入には巨額な費用がかかりますが、おいしいトマトでブランドをしっかり作り、売り上げを立て、利用者のみなさんにしっかりと高い賃金を払っていきたい。利用者のみなさん、一人一人がしっかりと自立した生活を送ってほしい」と竹之内さん。

 新しいトマトは今年11月ごろから出荷が始まる予定だという。直売所で販売するほか、同社の野菜は原木や行徳の「ベルク」、「ヨークマート」各店に並んでいる。

 直売所の営業時間は9時30分ごろ~15時。土・日曜、祝日休み。

関連リンク:https://www.kyoushin2020.com/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 直売所兼作業所の外観

  • 作業する利用者たち

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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