2021年06月07日 配信

職場として今日勤務したセブンイレブン夏見一丁目店

6/7(月)「いくつになっても働きたい!、人の役に立ちたい!」高齢者の願いを形に

企業と福祉をつなぐ「ななしょくプロジェクト」

 船橋市内でデイサービスを営む「やすらぎの森」と、セブンイレブン船橋夏見一丁目店を経営する「ホエル」が連携し昨年7月から実施している「ななしょくプロジェクト」が、市内経営者の間で話題になっている。

 同プロジェクトは、デイサービス利用者が船橋市内の事業所で「有償ボランティア」を行う事で「人の役に立つという実感を得て、内側から健康に。外出して人と話し、体を動かす事を通じ身体も健康になる」を目的として運営されている。

 プロジェクトを仕掛けたのは、佐藤亜美(つぐみ)さん。佐藤さんの経営する「ソーシャルEC」が事務局、有償ボランティア参加に興味を持つ福祉事業所選定には、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会が主催する「ケアマネージャー紡ぐ会」が関わり「やすらぎの森」「ホエル」らとコンソーシアム(共同事業体)形式で運営しているという。

 佐藤さんは町田市の介護施設勤務時代に、要介護認定を受けた人が有償ボランティアを通じて社会と関わり、自分のできる事で地域社会へ参加し、貢献している状況が当たり前という環境を体験。

 その後転籍し、都内で別の事業所に勤務し「要介護認定を受けている人が『何もできない人』なのか、『何かをすることができる人』なのかを決めるのは私たち」と、考えるようになり「ソーシャルEC」を立ち上げた。

 今回の「ななしょくプロジェクト」では、人手不足と細分化された作業を持っているセブンイレブンに「やすらぎの森」から利用者が有償ボランティアとして訪問。棚の商品陳列や買物カゴを拭く業務などの手伝いをした。利用者は3回参加すると1000円分の金券を受け取れるという仕組みになっている。

 「有償ボランティアの参加を介護事業所のデイサービスメニューに取り入れると、利用者が施設の運営に協力してくれるようになるそうです。採用してくださっている施設からはうれしい報告が入ってきます」と佐藤さん。

 有償ボランティアで買物カゴ拭きなどを担当した山崎久代さん(80)は、「家にいても人と話さない日もある。ここに来ればいろんな人と会えて人の役にも立てるのでうれしい。商品券は、いつも面倒をみてくれている娘にあげました。娘は『もったいない』って飾っているだけで一向に使ってくれないんですよ」と笑顔で話す。山崎さんは、有償ボランティアができると知り約2か月前に同施設への入所。既にこれまでに4回の有償ボランティアに参加しているという。

 佐藤さんは、「ななしょくプロジェクト」の紹介と有償ボランティアの仕組みについて6月24日に茂原市内でも説明会を予定しているという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 棚に商品を並べる吉田純一さん

  • ショッピングかごを拭く小林満男さん(手前)、山崎久代さん

  • 有償ボランティアには職員が同行する

  • 「いろんな人と出会えてとっても楽しい」笑顔を見せる山﨑さん

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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