2021年05月29日 配信

等身大パネルのゾウと写る早野恵美さん

5/29(土)アンデルセン公園子ども美術館で企画展「わくわく動物図鑑」

日本画の技法で鮮やかに動物たちを描く

 ふなばしアンデルセン公園子ども美術館(船橋市金堀町525、TEL047-457-6661)で5月29日から始まる企画展「日本画でえがくわくわく動物図鑑」に先立ち5月28日、報道関係者向けに内覧会が行われた。

 同企画展では、美術家・早野恵美(はやの めぐみ)さんが日本画の技法を用いて描いた色鮮やかな動物たちを、展示室1・2とエントランスホールに展示している。約47点の展示作品の内、今回の展示に合わせ37点を新たに制作。

 同館芸術美術指導チーフの柴田孝則さんは「子ども美術館では、動物を扱った企画展としては9回目、日本画の展示としては初の試みになります」と話す。

 展示室1には早野さんが制作した作品が壁面に沿って、図鑑に見立て五十音順に並ぶ。各作品は、動物の体の部位ごとに板を切り取り、岩絵の具という日本画の画材を塗り付けて組み合わせることによって、板の厚みとビビットな色彩で動物の躍動感を表現している。絵の具自体の良さを生かすために、調合はせずそのままの絵の具の色を使っている。

 また、作品には早野さん自身が文面を考えた動物の豆知識が添えられている。「子どもの頃に感じた、図鑑をめくる時の『わくわく』した気持ちを楽しんでほしい」というコンセプト通り、カエルなどの小さな生き物からサイなどの大きなものに至るまで、子どもから大人まで楽しめる展示になっている。

 早野さんは「『ここはどうしてこの色なの?』と聞かれることがありますが、動物たちを観察しているといろいろな色みを持っていることに気が付きます。動物たちの色や形、表情などを絵の具で表現しているので、今回の展示で日本画の画材の面白さを知ってほしいです」と話す。

 展示室2は、早野さんの作品の写真を各動物の等身大サイズに引き伸ばして作ったパネルが壁面に貼られている。解像度の高い写真を分割して印刷し、パネルに貼り付けている。貼り付け作業が難しく10人がかりだったという。早野さんは「どうしても実物大でやってみたかったのでうれしいです。子どもたちに楽しんでもらえたら」とほほ笑む。

 7月10日・11日には、早野さんと一緒に木っ端を組み合わせて作る「ゆらゆらモビール」のワークショップも開催される。6月1日から子ども美術館(TEL 047-457-6661)で予約を受け付ける。

 同企画展は7月11日まで開催。開催時間は9時30分~16時。土曜・日曜、6月15日は17時まで。月曜休館。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 展示室1の様子。五十音順に作品が並ぶ

  • 展示室1にあるサイ

  • 展示室2の様子。天井まで届きそうなキリン

  • 制作過程も公開されている

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