2021年05月23日 配信

手前から代表・澤さん、後列左から副社長・佐々木さん、取締役・高橋さん

5/23(日)船橋市場の鮮魚加工場「新生水産」がJFS-B規格取得へ

船橋市場内で初となるJFS-B規格認証の加工場に

 船橋市場(船橋市市場1-8-1)内に本社と加工場を構える「新生水産」(船橋市市場1-8-1、TEL 047-409-2937)は5月18日、船橋市場で初となるJFS-B規格認証取得に向けての認証審査を終えた。

 「食品衛生法」の改正により今年6月1日からは食品を取り扱う事業者に対して「HACCP(ハサップ)の完全義務化」が開始されるが、JFS-B規格とは、一般社団法人食品安全マネジメント協会が認証するHACCPよりもさらに複合的な規格となる。

 2012年6月に設立した「新生(しんせい)水産」。当初は埼玉県朝霞市に本社を構えていたが、加工場の確保や、当時新しく始まった大手企業との取引の便から船橋市場に本拠地を移転、現在は船橋市内の企業として活躍している。

 同社代表の澤さん、副社長で国内の仕入れに精通した佐々木幸夫さんは、ともに全国漁業協同組合(全漁連)の出身で、特にマグロに精通している人物。全漁連時代からのネットワークで、全国の産地から生マグロを仕入れ、そのうち1年中マグロが水揚げされる沖縄では、那覇市場内で県外企業として唯一、買付人資格を持っている企業でもあるという。

 船橋市場内の加工場では、仕入れた生マグロや冷凍品をスライスや細切りにし、消費者が使いやすい形へ加工。それをパックして大手スーパーや飲食店などに販売している。

 そんななか、2018年に新しく加わったマグロのエキスパートが、現在、同社工場長でもある清水太一郎さん。清水さんは「ねぎとろのパイオニア」とも呼ばれている赤城水産(本社:群馬県渋川市)で30年活躍してきた人でもあるが、「現在は作れなくなってしまった昔ながらのねぎとろをもう一度作りたい」と、群馬から移住し、澤さんの元で一緒に働くこととなった。

 25年前、赤城水産が当時マグロ加工業界で初めてISOを取得した際、取得に向けて清水さんも第一線で活躍していたこともあり、今回のJFS-B規格認証取得において、清水さんの持つノウハウを生かして、取得に動いたという。

 取得については認証審査があり、ほぼ1日かけて審査は行われるという。認証にあたり、現状から是正が必要なものは通達があり、是正案と是正が認められると認証に近づく。 

 代表の澤さんは「本当は、当社の場合、規模的にはJFS-Bの規格認証を取らなくてもいいんです」とも話す。「JFS-Bを取るのは、簡単に言うと食品製造業の大手企業の工場とか、従業員が50人を超える規模の会社が取得するもの。ですが、当社の取引先が大手企業であり、そこに合った品質管理ができていることを証明しておきたいと思い、取得に動きました」とも続けた。

 なお、現在は同加工所で「技巧派ねぎとろ」と称した新しい「ねぎとろ」を製造している。昨年、清水さんが中心となって開発した「技巧派ねぎとろ」は、30年前に赤城水産がねぎとろを作り始めたころの元祖チルドねぎとろの味を再現しているものだという。「新しいねぎとろは、おかげ様で、大手スーパー、千葉県内を中心に展開する寿司店やスーパーなど、さまざまなところで取り扱いたいというお声をいただき、販路が増えてきている状況です」と澤さん。

 「私たちの商品は、旨味を逃がす原因にもなるドリップを出さない、ということを大切にしています。この規模で生のマグロから加工までを自社で行い、さらに冷凍品も扱えるというのは国内でも珍しい会社です。マグロに精通したメンバーで作り出した商品をぜひ味わっていただきたいです」と澤さんは胸を張る。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • JFS-B規格認証に出している加工場内で

  • 手の洗い方についても従業員1人1人が規定通りに実施している

  • 昨年商品開発した「技巧派ねぎとろ」

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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