2021年02月13日 配信

マネージャーの及川さん(左)と櫻井さん

2/13(土)地域の高齢者を支える「生活応援サービスあおい海」

東日本大震災などの被災地を支援する活動も

 船橋市丸山と鎌ケ谷市の市境にある「生活応援サービス あおい海」(鎌ケ谷市西道野辺11-33、TEL 047-774-1200)が、2018年12月のオープンから3年目に突入。東日本大震災などの被災地支援の活動と、地域の高齢者を支える生活応援サービスを続け、憩いの場としても地域で親しまれている。

 同所は東武アーバンパークライン馬込沢駅から徒歩約20分の「鎌ヶ谷グリーンハイツ」に隣接している。同所の運営は1946年創業の物流会社、東明倉庫(鎌ケ谷市東道野辺7-4-44)。同社代表は取締役社長の小野弘幸さんで、前社長であり鎌ケ谷市議会議員を長年務めた故・月野隆明さんらが2017年に「地域の人たちにお世話になってきたので役に立ちたい」と地域に貢献できる事業を模索していたことが同所立ち上げのきっかけとなる。

 月野さんが以前、自治会長を務めていた鎌ヶ谷グリーンハイツでは、住民の高齢化が問題となっていた。「あおい海」マネージャーの及川孝志さんは「約1400世帯のうち65歳以上は約40%以上を占め、病院の通院や買い物など日常生活に困る人が増えている。そういった人たちの役に立てる施設として、空き店舗を利用して事業をスタートしました」と話す。月野さんは「あおい海」の完成を見ることなくこの世を去ったが、小野さんをはじめ、同社社員であり長年金融会社での勤務経験のある及川さんらが開設した。

 同所で行っている生活支援サービスは、電球・蛍光灯の交換、調理・掃除などの家事代行、不用品の処分、病院の付き添い、相続や保険の相談、本格的なリフォーム工事など多岐にわたる。及川さんと2人のスタッフが対応するほか、提携している専門スタッフや地域の業者に依頼する場合もある。

 近隣の南部地域包括支援センター(鎌ケ谷市)や馬込沢駅前の法典地域包括支援センター、近くのデイサービスやケアマネージャーからの依頼も多く、生活応援サービスは年々申し込みが増え、地域でなくてはならない存在となっている。

 病院の付き添いを依頼した近隣に住む高齢の女性は「娘が不在の時に利用している。タクシーだと病院に着いたらおしまいだけど、付き添いをして気遣ってくれる」と笑顔を見せる。

 また、オープン当初から続けているのが東日本大震災などの被災地支援活動。店内では東北の被災地を中心に、麺類、飲み物など、特産物や相馬焼などの工芸品も販売し、売り上げの一部を寄付する活動も続けている。これは、2011年の東日本大震災で及川さんの出身地である岩手県一関市も甚大な被害を受けた。その後、及川さんは「千葉ふなボランティアネットワーク」のメンバーとして継続的に支援を続け、ボランティアを通じてつながった生産者や団体などから商品を仕入れているという。

 なかでも毎月第3土曜日は「牡蠣と焼き鳥の日」を開催。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた広田湾(岩手県陸前高田市)の養殖牡蠣や焼き鳥の販売も予約制で行っている。東日本大震災から10年を迎えた翌々日となる3月13日には、緊急事態宣言が解除されていれば、復興支援の青空市を開催予定でもある。

 「千葉でも三陸でも、人は青い海を見ると元気になります。海の色は人によって感じ方が違うので店名は平仮名にしました。人々が元気になるような活動を続けていきたい。今後は子どもたちの居場所作りに子ども食堂の開設も検討しています」と及川さん。

 約18坪の店内では、飲食サービスのほか、お茶を飲みながら、囲碁・将棋や折り紙などを楽しむこともできる。フードメニューやドリンクはテイクアウトも可能。現在は緊急事態宣言のため、営業時間を短縮して11時~17時で営業している。水・日曜定休。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 白と青の爽やかな外観

  • 被災地の女性たち制作の置物も並ぶ

  • 東北の被災地を中心とした物産品

  • 手作りの入学用品も販売中

この記事を書いた人

典子牧

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