2021年01月22日 配信

「梨の実ナッチのNANANAミュージカル」でのワンシーン

1/22(金)「船橋のなし」が主人公のミュージカルが古和釜幼稚園で初演披露

多様性の理解を促し、地元愛も育める構成に

 新作ミュージカル「梨の実ナッチのNANANAミュージカル『フルーツポンチ! 〜怪盗サンバガラスあらわる!〜』」の初演が、1月21日、古和釜幼稚園(船橋市松が丘4-32-1)で同園の園児たちに披露された。

 同ミュージカルは市内在住の脚本・演出家・岡元邦治さん、船橋市出身でシンガーソングライター、音楽監督・歌唱指導として活動する小松優一さん、市内を中心に活動するダンサー、振付・ダンス指導者であるむーみんさんをはじめ、船橋を拠点とするクリエイターたちが制作。出演は、市内在住シンガーソングライターのLiCaCoさんをはじめとする船橋を拠点に活動するミュージシャンとダンサーたち総勢10人が出演した。

 ストーリーは「あおぞら果樹園」に通う果物のキャラクターたちが、カラスのもたらす災いを乗り越えながら大切なものを見つけるというもの。企画したのは、船橋市に拠点を持つNPO法人パフォーマンスバンク代表の鈴木浩之さん。鈴木さんは市内の音楽イベントを企画する「船橋365音楽プロジェクト(ふなおん365)」の代表も務め、春の緊急事態宣言下の一斉休校の際には新小学1年生が校歌に親しむためのテレワーク演奏動画を作る「みんなで校歌を歌ってみようプロジェクト」の企画にも携わった。

 「コロナ禍でありとあらゆるイベントが中止となってしまっている。感動や憧れを抱く機会が失われていることが、子どもたちの将来に悪影響を及ぼすのではないかと危惧している」と鈴木さん。今回のミュージカル企画は、そんな想いが出発点にあったという。

 作品の制作にあたって、鈴木さんは「見て楽しいのはもちろんのこと、みんな違ってみんないい、という多様性の理解を促すことや、地域の農産物を想起させて地元愛を育むこともできる構成を目指した。そのコンセプトが評価され、文化庁の公募事業『次のにない手を育成する子ども向けコンテンツ制作事業』にも選ばれました」と話す。

 初演は古和釜幼稚園の年中〜年長クラスの園児たち約300人に向け、密を避けるため1日2回公演で届けられた。「特に卒園・卒業を控える子どもたちの思い出づくりが喫緊の課題と思い、保育園や幼稚園の年長さんあたりをターゲットに公演させてもらえる場所を探しました。古和釜幼稚園は小松さんが通っていた園で、今でも交流があったことから今回の初演に至りました」と鈴木さんは初演への経緯を話す。

 同作品は劇中の音楽はほぼ生演奏で届けられた。「鑑賞を終えた子どもたちからは、『最初は音の大きさにびっくりしたけど、ピアノとかギターとか音楽が上手でかっこよかった』『ダンスや歌がとても楽しかった。一緒にもっと踊りたかった』『最後の歌が感動して涙が出た』などの感想が聞かれました。鑑賞した園児全員を対象としたアンケートにおける満足度は97.6%で驚いています」とも。

 また、ミュージカルには「船橋のなし」が登場するため、当日は近隣の梨農家にも招待席が用意された。観覧を終えたJAいちかわ船橋地区青年部部長の長嶋雄一さんは「本格的な作品でクオリティの高さに驚いた。梨だけでなくさまざまな果物のキャラクターが登場するので、今後の農産物PRイベントなどでもぜひ協力をお願いしていきたい」と話した。

 同公演では、新型コロナウイルスの感染予防対策を万全に行うため、「公演当日のみならず稽古中も常に消毒や換気に気を払った。公演直前には出演者およびスタッフ全員がPCR検査を受け陰性であることも確認しました」と鈴木さん。

 同ミュージカルは2月下旬ごろに作品ホームページにおいて動画が公開され、引き続き市内各所での公演も計画していく予定だという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • ミュージシャンが演じる果物のキャラクターたち

  • ダンサーが演じる「怪盗サンバガラス」

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