2021年01月14日 配信

配達に出発する米澤さん

1/14(木)船橋産の採れたて野菜を個人向けに配送する「船橋野菜」

連携農家の野菜を個人向けに自転車リヤカーで配達

 市内企業である「セールスマーケティングファーム」(船橋市北本町1-17-25 ベンチャープラザ船橋221)は、船橋市内の農家から直接野菜を仕入れ、地域限定で個人向けに自転車リヤカーで配達する新事業「船橋野菜」を昨年10月から開始し、好評を得ている。

 同社は小規模企業などの営業代行を請け負う会社で、代表は米澤俊一(41)さん。神奈川県横浜市出身の米澤さんは日本体育大学卒業後、ITベンチャー企業に勤務。自ら起業など経験したが、20代後半に友人の誘いでベビーリーフなどの栽培ハウスを建て、全国のレストランなどに直接出荷する「インスフィアファーム」(福井県坂井市)に約2年間携わった。

 その後、都市と農家を結ぶベンチャー企業「アグリメディア」(東京都新宿区)で約3年間働いた後、船橋市で起業。子どもが生まれたのを機に船橋市に移り住んだ。「船橋は人口が増えているけれども、畑も多いので採れたて野菜を食べる機会に恵まれている地域だと思い『船橋野菜』を始めた」と米澤さんは話す。現在の販売エリアは船橋市北本町、山手、海神、本町、行田、夏見。

 「船橋野菜」の利用にあたっては、同WEBサイトに利用希望者はまず会員登録(会費無料)し、同サイトの約30種類の野菜から注文。野菜の値段は農家が決め、その値段で販売する。配達料は1回200円。支払いはクレジットカードのみで、野菜代金にはカード決済手数料(代金の4%)が含まれている。

 米澤さんは「畑に何度も足を運び美味しいと思った野菜を仕入れています」と話す。現在、印内、西船橋、旭町の農家7軒と連携し、毎週水曜日の午前中に各農家の畑に注文が入っている野菜を集荷に行き、午後は自転車リヤカーで注文客の家を配達して回る。

 同サービスを利用しているという苅田恭子さん(山手在住)は「本当に採れたての新鮮なお野菜を届けてくださいます。特にトウモロコシ、カブは『生で召し上がってください』と教えてもらい、そのままいただいたら、トウモロコシはまるでミカンのように、カブは柿のように甘く瑞々しかったです。野菜を届けて下さる米澤さんは元気いっぱいで、思わず『頑張ってください!』と応援したくなる方です」と笑顔を見せる。

 連携農家の1つである「かまくら農園」の鎌倉優希さんは「船橋野菜さんには去年の11月から出荷させていただいています。西船橋にある当農園は、住宅に囲まれた畑を持つ、いわゆる都市農業と言われる農家です。新鮮な野菜をとってすぐ届けられたらいいのですが、顧客を探す手間と配送の手間があって…。多くの消費者が近くにいるという利点を活かしきれていないまま、ここ数年は直売所やスーパーのインショップが売り先のメインになっていましたが、マージンが負担となっていたというのが本音です」と話す。

 また鎌倉さんは「米澤さんは、多くの顧客の家を一軒一軒回ってくださり農家からはマージンを取ることもない。農家としてはこれ以上有難いことはないと思っています。野菜自体は間違い無く新鮮なものをお渡ししていますしお客様にも喜んでいただいているようで励みにもなります。農家、船橋野菜、消費者の三方よしを実現できるのが米澤さんです。まだ始めたばかりで注文こそ少ないですが、確かな価値でお客様が増えていったらいいなと思っています」とも話す。

 現在、会員数は約200人で、特にファミリー層や高齢者世帯が多いという。米澤さんは「野菜は、一部の例外を除き、採れたてが一番栄養素が高くおいしい。農家は『せっかく作ったものなので新鮮なうちに食べてほしい』という思いがあります。私たちから『採れたて野菜を食べる文化』を広めていきたい」と話す。今後はセット売りや販売地域の拡大なども検討していきたいと夢を膨らませている。

関連サイト:「船橋野菜」 https://funabashiyasai.com/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 午前中は車で野菜の集荷に農家を回る

  • 連携農家の鎌倉さんと

  • 中にはスーパーでは見かけない野菜も

  • 配達は自転車リヤカーで

この記事を書いた人

典子牧

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