2015年02月10日 配信

2/10(火)きららホールで船橋市地域リハ研究会の市民公開講座

高齢者の「食べること」について考える

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 船橋市の主催で「第4回船橋市地域リハビリテーション市民公開講座」が1月31日、きららホール(船橋市本町1-3-1 TEL047-423-7261)で行われ市民140人以上が参加した。

 

 テーマは「摂食嚥下障害とリハビリテーション」。現在高齢者の福祉・医療に関わる有資格者や、家族の介護を行っている一般市民を対象に行われた同講演。

 摂食嚥下障害になる原因と対策、その啓蒙活動を目的に行われた。藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座教授の才藤栄一副学長が講師。

 

 摂食嚥下(えんげ)障害とは、食べ物や飲み物を飲み込む機能が低下し、飲み込むまで時間がかかる、飲み込めないなどの障害が起こることを指す。また、嚥下機能が低下し、そのまま食べ物が肺に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といい、結果として肺炎を引き起こす誤嚥性肺炎の原因となる。

 

 厚生労働省発表の2011年、高齢者の死亡原因は、「悪性新生物(主にがん)」、「心疾患」、「肺炎」の順位となっており、肺炎の中でも約半分が誤嚥性肺炎だという。また、不慮の事故という死因の中で、摂食嚥下障害による窒息での死亡が15%以上というデータも出ている。

 

 同講座では、摂食嚥下障害の事例とリハビリテーションについて説明。「各種検査の利用によって嚥下機能の状態がはっきりとわかるようになり、対処方法が進歩しました」と才藤先生。嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査の検査方法を使い分ける事によって、より正確な評価をすることができるようになった。

 

 「摂食嚥下障害の患者にリハビリテーションを行うためには、口腔ケア、嚥下練習、体位調整、食物調整など、様々な要素が含まれているため、医師・歯科医師をはじめ、管理栄養士などの多職種の連携が必要不可欠です」とも。

 

 この日参加した70代女性は「夫が以前のような通常の食事を食べれるようになってほしい。早速検査とリハビリをしてみたいと思いました」と笑顔で話した。

 

 今後、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、摂食嚥下障害の患者は増加することが想定される。船橋では128日には「食べることを地域で支える重要性」、25日には「摂食栄養サポート勉強会~食べられない。をどこから考える?」というそれぞれのテーマで、医師・歯科医師をはじめとした関連職種の勉強会も行われた。

 

 25日の講演に参加した地域リハ研究会世話人であり、船橋歯科医師会の齋藤俊夫会長は「多職種が連携することで、患者さんの生活の質(QOL)が改善できることを参加したみなさんと共有できてよかったです」と話した。

 

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MyFuna編集部

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