12/16(火)総武病院で高齢者の介護・医療の研修セミナー
認知症高齢者への対応を考える
総武病院(船橋市市場3-3-1 TEL 047-422-2171)で12月10日、船橋市認知症高齢者グループホーム連絡会の会員向けに高齢者の介護・医療の研修会「高齢者介護・医療の諸問題~病気なのか?性格なのか?~」が行われた。
主催は船橋市認知症高齢者グループホーム連絡会。グループホームとは、認知症を抱えた高齢者の住まいで、利用者が共同生活を通して入浴、排泄、食事、その他日常生活上の援助・支援を行うっている。同連絡会はこれらの施設で立ち上げている会だ。
「年齢を重ねると、人は今までの生活を変えたくない・変えられたくないという心理的反応が起こります」と話すのは、同院の精神科医・蓮田洸さん。
高齢者の多くは物事を保守的に考えたり、過去の経験にこだわることも多く、協調性が乏しくなる傾向があるという。「症状の半分は性格や今までの経験による言動、残りは認知症による言動が混ざることもあるので、その時の状況により、対応内容を変えていく必要がある」とも。
高齢者の言動から、タイプを精神病圏と人格変化圏に分けることができる。精神病圏は精神障害がベースとなっていると考えられるタイプで、診断上は統合失調やうつ病と診断されることも多い。
また、人格変化圏は病気ではなく、元来の性格傾向が強調されたものが多い。認知症という単一症状への治療と対応だけではなく、各機能の正しい評価、また既往歴や生活背景について同じ目線で考え対処することで症状が緩和することも。
「薬だけでなく、生活リズムや対応方法を変えること。また、糖尿病などの持病をしっかりコントロールすることで、認知症などの症状を抑えることもできる」と蓮田さん。
医療以外の対応は「家族と本人の価値観」や「人生観の尊重すること」「本人がどうしたいのかについてきちんと話すこと」「サービスが必要かつ、十分であるか常に検討すること」が大切だという。
同会は平成19年に結成され、船橋市内の多くのグループホームが参加している。「認知症になっても、安心して暮らせる社会を」をモットーに認知症カフェ(オレンジカフェ)の開催や、各種勉強会、専門学校等への認知症に対する啓蒙活動などを行っている。
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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