2014年12月06日 配信

12/6(土)千葉徳洲会病院でエボラ出血熱の感染対策研修

市内の医師ら100人が参加

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千葉徳洲会病院(船橋市高根台2-11-1 TEL047-466-7111)で12月4日、船橋市保健所と船橋市医師会による、エボラ出血熱対策研修会が開催され船橋市内の医師、看護師を始めた医療関係者100人が参加した。

同研修会は、11月4日に発生したエボラ出血熱感染の疑い患者が町田市の一般医療機関を受診した事例を元にした研修。

この日は医療機関での対応策について、船橋市保健所次長の松野朝之さんが講義を行った。38度以上の発熱が見られる患者が受診又は電話で問い合わせがあった場合、ギニア・リベリア・シエラレオネの3カ国への過去1か月以内の渡航歴を確認。

滞在期間中、21日以内にエボラ出血熱感染者(疑いも含む)への接触の有無を問診時行うことで感染疑いかどうか判断する。「市内の医療機関が協力して問診を行うことで、初期段階での感染拡大が防げます」とも。

問診によって感染疑いと発覚した場合は、患者を個室に隔離し、患者が接触したと思われる人、物、経路の記録を取り、速やかに保健所に連絡。

保健所の職員が患者の搬送と医療機関の消毒を行う。「すみやかに隔離し、感染拡大を防ぐことが必要です」と千葉徳洲会病院感染防止対策委員長・心臓血管外科部長の橋本昌紀さんは話す。

また、研修では実際に感染防護服(PPE)の着脱も行われた。「着るのも難しいですが、感染拡大しないように脱ぐことが難しい」と千葉徳洲会病院感染制御部感染管理認定看護師の相内ひとみさん。

医師たちは着脱をする行為だけで汗だくになり、自身も体力を奪われる事を体感した。鼻をさわったり、自然に出てしまう行為で感染する場合があると、注意を促される場面も。

「実際の患者さんは直接保健所に来ることは少なく、町田市の事例のように一般の医療機関を受診することが想定されます。今回の研修会で、船橋市全体の医療機関が感染症への意識を高め、感染拡大防止につなげていきたい」と、船橋市保健所所長の筒井勝さん。

「船橋市は行政、医師会、医療機関の間の風通しが良く、一体となって地域医療を支える体制ができている」と徳洲会病院院長の高森繁さんは話す。


また、「今後も船橋市と船橋市医師会が協力し、今後も研修会を開催することで、船橋市内の医療体制を強化したい」と、船橋市医師会の会長玉元弘次さん。

エボラ出血熱に感染すると、発熱、疲労感、筋肉痛、嘔吐、下痢、などの症状がみられる。特徴的なものとしてしゃっくりが出現することも多いという。感染経路としては接触感染のみとなっており、インフルエンザなどの飛沫感染や空気感染はしないことが発表されている。

接触感染とは感染者の血液や体液に直接接触、またそれらに汚染された物質(注射針等)に接触し、ウィルスが傷口や粘膜から侵入することで感染。また、ウィルスの感染した野生動物の死体に直接接触することで感染するとも。

現在、エボラ出血熱は西アフリカのギニア・リベリア・シエラレオネをメーンに流行しており、10月31日の国立感染症研究所の報告によると2014年10月29日現在、感染患者(疑い例を含む)の累計患者数は、総数で1万3676例。

うち死亡例4910例。流行国でエボラ出血熱に感染するリスクが高い人は医療従事者、患者の家族や近親者、埋葬時遺体に触れる参列者となる。

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MyFuna編集部

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