3/4(火)本町の不動院で大仏追善供養
石像にご飯を盛り漁師たちと津波犠牲者を弔う
本町の不動院(船橋市本町3-4-6)で2月28日、江戸時代、漁場争いで亡くなった漁師たちと津波で命を落とした犠牲者を供養する為の行事「大仏追善供養」が行われた。
通称「飯盛り大仏」とも呼ばれている同行事。炊きたてのご飯を石造釈迦如来像に高く盛り付けるのは、牢獄で腹を空かし亡くなった漁師たちをねぎらうためといわれている。また、如来像に高く盛りつけられたご飯を食べることで無病息災が叶うとされていることから、口に運ぶ参拝者の姿も見られた。
近隣住民や海神小学校の児童たちと、多くの参拝者が集まった。「今日は命がけで船橋の海をまもってくれた大先輩方を供養する日です。毎年この行事を通じて沢山の方々と一緒に供養できることを感謝しています」と、船橋市漁業協同組合・組合長の滝口宣彦さん。
江戸時代、魚介類の収穫量が多く日本でも有数な漁場として知られていた船橋の海では、近隣の漁師たちと漁場をめぐり、争いが絶えなかった。1824年、そこへ他村の漁師たちが、侍と共に多数詰め掛ける事件が発生。
船橋の漁師たちは地元の海を守ろうと抵抗するあまり、位の高い侍を殴ってしまい、代表の漁師ら3人が投獄されたという。そして、その内2人が牢内で餓死した。
この出来事をうけ翌年より、牢死した漁師達を1746年の津波によって溺死した漁師や住民と共に供養する行事が始まった。以降、毎年2月28日(明治以前は1月28日)にこの事業が行われ、現在では市の無形文化財にも指定されている。
(鷲野)
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