12/4(水)船橋の建築士が雄勝町コミュニティセンターをデザイン
市民ギャラリーで作品展とともに12月13日~15日まで展示
船橋市内に事務所を構える5建築事務所、6人の建築士からなる「けんちくフラット」が12月13日~15日まで、船橋市民ギャラリー(船橋市本町2-1-1)で作品展を開催、その会場で石巻市雄勝町にボランティアでデザインや施工に携わったコミュニティセンターの模型や写真パネルなども展示する。
「けんちくフラット」は、田端建築デザイン事務所、豊田和久建築工房、野平都市建築研究所、クローバー建築設計事務所、アルキテク設計室の5建築事務所で代表もしくは、所属の6設計士が集まってボランティアや展示会を行っている建築士のチーム。
昨年、メンバーの紅一点・隅田美千子さん(44)が石巻市雄勝町出身という事で、雄勝町のコミュニティセンター「オーリンクハウス」建築に関する設計ボランティアの依頼が、復興に関わるNPO団体を通じて舞い込んできた。
隅田さんの所属するアルキテク設計室で、同センターのデザインを担当。建築資材は、別のNPOが輸入住宅メーカーから調達し、輸送に関する経費は寄付から捻出。施工に関する人手は、雄勝町の建築会社に発注するという、ボランティアによるコミュニティセンターの建設プロジェクト「雄勝まちづくり復興プロジェクト委員会」が設立された。
同センターが建設された海岸地区は、津波が来た時の安全性や、今後の処理についての方向性が確定していないために行政が建築に関して手を出すことができないアリア。
法律上は建築に関する許可がおりる土地だという事で、市民が所有する土地を利用して「民間の力で雄勝町の住民が集まれるコミュニティセンターを作ろう」と、建築が決行された。
同センターが建築された土地は107坪、建物は約50坪。27畳分のホールと13畳分の会議室、12畳分の事務所スペースを有する輸入木造建築。屋根には、高級建築資材の「雄勝石」を使用した。
屋根に使われた「雄勝石」は、同町の特産品で東京駅の屋根に使用されたり、国産の「すずり」シェアの90パーセント近くを占める石。加工しやすさが特徴で震災後、復興のシンボルとして注目を集めている建築資材だ。今回使用したものは、被災した住宅2~3軒分からの再利用で、同センターの床材にも一部使用された。
「震災からの復興のシンボルに、忘れてはいけない震災の記憶を活用した。建築士としてできることを、復興に向かう現在の中で表現した」とけんちくフラットメンバーの鈴木晋さん(41)。
展示会では、同センターの建築模型と施工ボランティアの様子をおさめた写真パネルの展示、現地での話や同センター建築に関わる思いなどを聞くこともできる。そのほか、けんちくフラットメンバーが建築に携わってきた建物模型などの展示も行われる。
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