2020年12月12日 配信

12/12(土)船橋漁港と海老川でビーチクリーン活動

船橋のスズキ漁師と習志野・浦安の市民団体が協力して

 船橋市のベイエリアをきれいにしようとビーチクリーン活動が立ち上がり12月12日、船橋市漁業協同組合事務所前に20人を超える市民らが集まり船橋漁港及び海老川周辺のごみ拾いを行った。

 今回のビーチクリーン活動の実行主体は、船橋市漁業協同組合。スズキ漁を生業とする大傳丸・代表の大野和彦さんが習志野市でビーチクリーン活動を行っている「習志野の海を守る会」の活動を知ったことがきっかけで実現した。

 千葉県内の湾岸エリアで千葉市、習志野市、船橋市、市川市、浦安市という各市を横断したビーチクリーンリレーの構想があり「船橋市だけ実行団体が不在」という状況を聞きつけ、「海を愛する漁師。持続可能な漁業を実現しようとしている船橋の漁師が立ち上がらない理由はない」と大野さんが漁業組合に掛け合った。

 組合と大野さんの声掛けに集まったのはスズキ漁を生業にする「大傳丸」「中仙丸」の2社、海鮮問屋の「海光物産」の社員らと個人的な友人たち。これに、習志野市の「習志野の海を守る会」、浦安市で20年以上海岸のごみ拾い活動を行ってきたという「三番瀬を大切にする会」のメンバーたちが加わった。

 漁業組合前に9時集合。集まったメンバーたちが船橋漁港周りと海老川河岸の2コースに分かれて1時半のゴミ拾いを行った。この日集まったゴミは軽トラック2台分。ゴミの回収・処分には船橋市が協力するという。

 船橋漁港に落ちているゴミや廃棄された漁具などは一般市民から見たときには「シーズン外なので置いていあるもので実用品」と感じられるが、漁師からみれば「使っていないのは明らか。所有者が既に死亡している為、処分に困ったので放置しているか、処分する金を惜しんでそのままにしているかどちらか」というもの。

 また、所有者がはっきりしていない場合には行政機関や組合が勝手に処分する事がでいない事、いざ処分するとしても予算捻出が困難なことなどを理由に数年に渡ってそのまま放置されているものが多い事なども判った。

 船橋漁港には現在、打ち捨てられたボートや釣り船が数隻あり、ほかにもアサリ漁で使用する漁具なども壊れたまま放置されている。また、漁業で使用したとみられる網や縄も束ねた状態で数年間放置されていたとみられ、近くによると虫がわき異臭を放っていた。近年、ボートの素材には腐らないFRPという素材を使用していることが多く1隻の処分には数十万円がかかるという。

 今回のビーチクリーン活動ではこのような行政制度の間にある問題を浮き彫りにし、どのようにして解決していくかの問題提起がされたとみられる。ビーチクリーン活動の今後の予定は未定だというが「一つ一つの課題に向き合い、少しずつ何年かけてでも解決していかなければならない課題」と参加者の40代男性。

 今回の参加者らは、「今後の活動について協議の上決めていく」としている。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • ゴミを集める参加者ら

  • 船橋漁港周辺には風や波が運んだゴミや不法投棄もみられた

  • 何年にもわたって放置されている船。FRP素材で腐る事がないという。

  • 漁具として使用されていたとみられる放置された縄。腐臭がひどい。

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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