2020年12月03日 配信

映像の中のワンシーン

12/3(木)「玉川旅館」の記録映像をネット上で公開

360度VR画像で実際に訪れたような感覚に

 2020(令和2)年4月末で創業100年の歴史に幕を下ろし、解体・撤去が行われた「玉川旅館」(船橋市湊町2-6-25)の記録映像と360度VR画像が12月1日、インターネット上で公開された。

 玉川旅館は大正10年(1921)に創業。太宰治ゆかりの宿として広く知られ、大人数での宴会や合宿ができる場所として幅広い層の市民に親しまれてきた。

 しかし近年の宴会需要の落ち込みや老朽化に伴う木造建築の維持管理コスト増に加え、今春からの新型コロナウイルス感染拡大による客足の落ち込みにより、4月末で創業100年の歴史に幕を下ろした。

 同館から船橋市に営業終了と6月の解体予定の申し入れがあったのは4月中旬だったという。船橋市としても「貴重な文化財である玉川旅館の歴史を末永く後世に伝えていきたい」と、映像記録を公開することに。今回公開された映像記録のほか、建築物の専門家による調査・図面作成、報告書の作成、一部部材の寄贈受入など、記録および保存が約600万円の費用を投じて、急遽、進められることとなった。

 撮影には360°カメラやドローンなど先端機材も用いられ、5月18日から26日のうち6日間で実施された。船橋市文化課によると「玉川旅館の解体を惜しむ市民もたくさん訪れる中、天気や時間帯などさまざまな場面の玉川旅館の姿を撮影をするのに苦労した」という。

 記録映像のダイジェスト版は11月中旬に既に公開されていたが、今回はそれに続く形で「玉川旅館物語 本編」(約9分30秒)と「玉川旅館物語 資料編」(約16分30秒)の2本の動画と、館内約90カ所を実際に訪れたかのような風景を見られる「360度VR画像」が公開された。いずれも船橋市の特設ホームページ(https://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/gakushu/0005/p085872.html)から閲覧可能。

 なお同館の跡地には14階建てのマンションが建設されることが発表され、既に工事が始められている。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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