2020年11月22日 配信

同書の企画・編集を担当した山田裕子さん

11/22(日)習志野高校吹奏楽部の活動を描いた小説「美爆音!ぼくらの青春シンフォニー」

習志野市在住の編集者が企画

 子ども向けの本を多く出版している「岩崎書店」(東京都文京区)が11月16日、「美爆音!ぼくらの青春シンフォニー 習志野高校吹奏楽部の仲間たち」を発売した。

 同書の著者は「日本唯一の吹奏楽作家」とも言われるオザワ部長。著書に「吹部(すいぶ)ノート」(ベストセラーズ)、「みんなのあるある吹奏楽部」(新紀元社)など、吹奏楽に関する著書が多数ある作家だ。

 同書は習志野市立習志野高等学校(習志野市東習志野1-2-1)吹奏楽部の活動を描きながら、「音楽のまち」と呼ばれる習志野市は「みんなの夢でできている!」をテーマとし、部活動を始める小学4年生から大人までが楽しめる書となっている。

 同書を企画したのは、習志野市在住で岩崎書店の編集者・山田裕子さん。同書発刊へのきっかけは、山田さんの娘が習志野市内の小学校で吹奏楽部に入り、活動を見守る中でのできごとから「なぜだろう?」と疑問を持ったことがきっかけ。

 一番のきっかけとなったできごととは、2017年、習志野高校吹奏楽部が「全日本吹奏楽コンクール」で金賞、「全日本マーチングコンテスト」でも金賞、習志野市立第四中学校、第二中学校も「全日本マーチングコンテスト」で金賞、習志野市立大久保小学校は「全日本小学生バンドフェスティバル」で金賞と、同じ年に「音楽のまち 習志野」から出場した4つの学校がすべて金賞を受賞するという快挙が起きたことから。「なぜ習志野市の吹奏楽は活気があるのかを知りたくなった」と山田さんは話す。

 さらに、習志野市では2002(平成14)年から「習志野市小中学校管楽器講座」という講座が続いている。これは、前習志野市教育委員会教育長で当時、習志野市文化ホール理事長であった松盛 弘さんと過去に習志野高校吹奏楽部の顧問として同部の歴史をつないできた新妻寛さんが立ち上げたもので、習志野高校吹奏楽部の3年生部員が習志野市内の小中学生に指導し、1年間練習した曲をその年度の最後にみんなで発表するという取り組みが毎年行われている。

 山田さんは自社のブログ取材時にその講座の話を聞いて興味を持ち、後日取材。「その光景が忘れられなかった」とも山田さんは振り返り、「この取り組みをブログに綴るだけではもったいないと思って。それにこの講座の開講式には市長も訪れるほど、まちを上げての取り組みです。こうして地域全体で取り組んでいることこそが、習志野市の吹奏楽のレベルの高さの秘密でもあると感じました」とも話す。

 2017年から「書籍にしたい」という熱意を持った山田さんは、企画を温め、2018年12月に吹奏楽作家であるオザワ部長にツイッターからコンタクトを取ったという。当時はまだ出版が決まっていたわけではないが、全国各地の吹奏楽部を取材しているオザワ部長も習志野市の取り組みに興味を持ち、何度も足を運び取材を続けた。

 さらに、習高吹奏楽部顧問・石津谷治法(いしづやはるのり)さんから酒井悠歌(はるか)さんに取材したら面白いんじゃない?」と提案があり、今回、今年3月末まで同部部長を務めていた酒井さんを主人公とした、実話に基づく小説が書き下ろされた。同書の巻末には習志野高校吹奏楽部顧問・石津谷先生からの寄稿も掲載されている。

 各所に同書の案内をして回る山田さんは「今回、いろんな方とお話して感じたのは、習高ファンが想像していたよりもはるかに多いということです。まちのみんなで盛り上げていくんだ!という思いや、このカルチャーを引き継いでいって欲しいという熱い思いを持った人がたくさんいるのを感じました」とその伝統を肌で感じたという。「顧問の先生の監修のもと、同校吹奏楽部の特徴である野球応援、コンクール、マーチングの要素を、イラストレーターのpon-marshさんが再現した渾身のカバーイラストも本作品の魅力」とも。

 同書は全国書店で取り扱い。オザワ部長・著、pon-marsh・絵。本体価格1400円+税。四六判、200ページ、ハードカバー。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 同書表紙

  • オザワ部長から山田さんへ贈られたメッセージ

  • 東武百貨店船橋店6階にある旭屋書店船橋店での同書のコーナー

  • 津田沼パルコ内にある「くまざわ書店アカデミア」に設けられた同書のコーナー

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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