2020年11月18日 配信

梶さん(左)とコーヒーを淹れる粕谷さん

11/19(水)東葉高校で「船橋コーヒータウン化計画」とのコラボ企画

バリスタ世界チャンピオン粕谷哲さんを迎えて

 東葉高校(船橋市飯山満町2-665-1、TEL 047-463-2111)で11月19日、「WORLD BREWERS CUP(ワールドブリュワーズカップ)2016」アジア人初の世界チャンピオンのバリスタ粕谷哲さんを迎えて、校長の西村桂さんの企画「この指とーまれ」が行われた。

 これまで同校では2018年から毎年、「船橋コーヒータウン化計画」の発起人である日本のトップバリスタ梶真佐巳さんを迎え、「夕暮れカフェ」を行ってきた。

 今年は3回目になり、梶さんとタッグを組む粕谷さんが登壇。まずは粕谷さんが淹れたコーヒーが参加者に振る舞われ、コーヒーを飲みながら粕谷さんがチャンピオンになった世界大会の際の映像を鑑賞した。

 学生の中にいたのが、千葉県初のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」の「地域振興キャラクター(仮)」という「マスク・ド・オッチー」。マスク・ド・オッチーは粕谷さんからコーヒーの淹れ方を習っているという。

 粕谷さんは壇上で、自身のこと、世界チャンピオンになってすぐに立ち上げた自身の会社のこと、10月からは「ファミリーマート」のコーヒー監修を始めたことなどを話した。

 さらにスペシャルティコーヒーについても話があり、従来のコーヒーはその名称が地名だったので誰が作ったものかなどがわからなかったが、「スペシャルティコーヒーはトレーサビリティといって、生産者や生産地などがわかる追跡可能な商品になっている」ということを話した。

 昔はコーヒー豆の品質が悪く、深く焙煎してどれだけマイナス部分を隠すかが問われ、コーヒーは「黒く、苦く、濃いもの」として認知されていたのだという。「ぼくらは、いいところをいかに表現するかを追及しているので、焙煎は浅くなっている。そのため、苦味が少なく、甘さや風味があるコーヒーを淹れられるんです」と粕谷さん。

 世界チャンピオンとしてトップになることの目的や使命について粕谷さんは、「コーヒーがおいしいだけじゃなく、そのbehind(ビハインド=裏側など)を広く正しく伝えたかった」という。「そのためには日本一、世界一の人が言えば耳を傾けてくれる。みなさんも何かしたいと思ったら、まずは力をつけること。トップになればいい。日本一を目指した人しか日本一にはなれない」と生徒たちを鼓舞した。

 そして心構えについても、「現状にあぐらをかかず、チャレンジをやめないこと」と話した。自分の成長を止めないためにも挑戦し続けることの大切さ、起きてしまったことは仕方ないので、このコロナ禍で致命的な打撃を受けても、常に前を向き未来を示し、死ぬ気の覚悟で挑み続けていること。理想を掲げ、誰のせいにもせず、アイデアを出し、行動あるのみ、という内に秘めた気持ちをジョークも交えながら淡々と伝えた。

 校長の西村さんからは最後に、「梶くんや粕谷くんのようになってもらいたい。いろんなことをやっていいんだよ」とメッセージが送られ、それが「野望」であると話し、生徒たちを笑顔にしていた。

 この企画「この指とーまれ」は、全学年を対象に、参加希望の生徒が集まる形式。毎月2回ほど内容を変えて開催しているというが、通常30人の定員にしているところを、今回は人気の内容ということで50人にしたというが、すぐ満席になったという。

 2年生の女子生徒は「これまでコーヒーをブラックで飲む機会がなかったが、今回飲んでみて、とてもおいしかった」と話し、1年生の舛岡知宏さんは「1杯のコーヒーでも、その作り方やその過程を知ることができた。すばらしさもあり、大変さもあり、こういったことを広げていく必要があるなと思った」と感想を話した。

 西村さんは、「いろいろな職業があること、知らない職業に触れること。学者の話を聞くのもいいけれど、若い頑張っている人を身近に感じることも大事であると考え、このような企画を続けている」と話す。

 これまでも、「サーティワンアイスクリームから接客を学ぶ」「理学療法士って聞いたことあるけど、どんな仕事?」「歌の魅力~ソプラノ歌手 宇佐見朋子を迎えて」など、テーマに沿った講師を招いて開催してきた。今後も「この指とーまれ」は、校長のオリジナル企画で、参加希望者を募って開催をしていくという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 東葉高校の生徒とマスク・ド・オッチ―、その隣が梶さん(左から6人目)と粕谷さん(7人目)

  • マイクを持つのが校長の西村さん

  • 教室の様子

  • 終盤にカーテンを開けると、「夕暮れカフェ」の名の通り、夕暮れ時の赤みを帯びつつある空が広がっていた

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