2020年11月11日 配信

同館館長代理の河西敦史さん(左)と学芸員

11/11(水)飛ノ台史跡公園博物館開館20周年記念巡回展

「かわる生活様式!?」遊動から定住へ

 飛ノ台史跡公園博物館(船橋市海神4-27-2、TEL 047-495-1325)1階ギャラリーで11月7日、開館20周年記念巡回展「かわる生活様式!? 船橋の縄文時代早期」が始まった。

 「このコロナ禍で、生活様式を変えなければならない今の状況とまさに似たような状態です」と話すのは、同館館長代理の河西敦史さん。「縄文時代以前の旧石器時代は今よりも寒冷な環境で、当時の人々は『遊動』的な生活様式でしたが、縄文時代に入ると温暖な気候になり利用できる資源が増え、船橋を定住地に選び生活様式を変えていきます。気候変動という環境の変化で動植物の生態が変化し、人間はその環境に適応し変化せざるを得なかったわけです」と河西さん。

 導入として、市内の主な遺跡の位置がわかる地図の展示に始まり、気候変動のグラフ表示やヒト(ホモサピエンス)の誕生がアフリカから始まり世界各地に広がったことがわかる地図の展示などがある。

 さらに「かわる環境」から「かわる生活様式」として、洞窟などに住む遊動生活から、地面を掘りくぼめる竪穴住居が出現し、定住生活をするように生活様式が変化してきたことが、写真や出土品の展示で紹介されている。狩猟も槍から弓矢に変化したことがわかる石器の展示もある。

 館内には縄文時代早期の村を再現したジオラマもあり、その時代の雰囲気を子どもでも感じられるよう工夫している。河西さんは「展示自体は大人向けですが、子どもにも馴染みやすいようにジオラマを置いたり、『とびはくクイズラリー』を用意したりしています」と話す。

 クイズラリー自体は簡単な問題だが、「豆ちしきコーナー」を大人向けに作っているともいう。「大人はぜひここに目を向けて、知識を得て帰ってください」と用紙の豆ちしきコーナーを示す河西さん。

 例えば、炉穴が日本で最初に発見されて名前が付けられたのは、飛ノ台貝塚だという。さらに、同貝塚で発見されたバイオリン形土偶は日本で1、2位を争う小ささで、古さでも10位以内になるという。

 取掛西貝塚から出土した約1万2000年前の井草式の土器片を接合・復元した、船橋最古の土器の展示も見られる。

 開催期間は12月6日まで。開館時間=9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=110円、高校生=50円、市内在住の小中学生=無料。休館日は11月9日、16日、24日、30日。無料観覧日は11月21日~23日。

 なお、同展示は同館20周年を記念しての巡回展となり、同館での開催後、12月19日から来年1月31日までは船橋市郷土資料館(船橋市薬円台)でも開催が決まっている。

 船橋市のホームページ内にある「ふなばし生涯学習チャンネル」では、同館で撮影している動画がVol.12まで配信されている。  https://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/gakushu/001/p079790.html

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 1階ギャラリーの様子

  • 形式からその時期が判断されたという船橋最古の土器

  • 親子で楽しめる「とびはくクイズラリー」

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