2020年11月04日 配信

大木さん(左)と都築さん

11/4(水)習志野市の大学生のプロジェクトがクラファン達成

船橋YEGの元会長が一役買って

 習志野市の学生・都築則彦さんが発起人となって進めている「EARTH LIGHT PROJECT」がクラウドファンディング(以下クラファン)を達成し11月2日、日本商工会議所青年部(日本YEG)が同プロジェクトのメインスポンサーとなった支援宣言調印式が行われた。日本YEGとの橋渡しをしたのが、船橋YEG元会長で現在関東ブロック会長の「大木無線電気」(船橋市芝山4-18-1)代表・大木武士さんだった。

 「EARTH LIGHT PROJECT」とは、宇宙空間で地球を背景に炎を灯した写真を撮影するプロジェクト。スペースバルーンの打ち上げにより「国境線の無い宇宙」へ聖火に見立てた炎を掲げ、その炎越しに地球を撮影する史上初の試み。技術開発・地上実験・機体制作などを経て2021年5月に打ち上げを予定している。

 都築さんは、千葉大学人文公共学府博士前期課程の現役大学院生。幼少時代の家庭環境からボランティアに強く興味を持ち、さまざまな活動をしてきた。そしてオリンピックの学生ボランティアとの出会いから、「平和の象徴であるオリンピックの聖火を世界中に巡らせることができたら…」との思いを持ち、宇宙(成層圏)から炎と地球の写真を撮ることを決意。大学で宇宙工学を学んでいたこともあり、オリンピック×宇宙×ボランティアがつながったという。

 学生ボランティアの仲間に呼び掛け、当初10人くらいのメンバーでプロジェクトは始まった。大手企業から協賛を受けて実行する予定だったが、新型コロナウイルスによるオリンピック開催延期などで企業協賛が減り、不足分をクラウドファンディングで補填することに。

 こうした話を船橋市内の芝山商店会で発表する縁があり、同じく芝山に本社を持つ大木さんの耳に入った。大木さんは「今回の支援金は、日本YEGと関東ブロックYEGが連携して実施した新型コロナウイルス感染症簡易検査キットによる抗体保有調査において、検査キットの販売元のご厚意により売り上げの一部をご提供いただいたものになります」と説明。

 学生のボランティア団体が挑戦している壮大な企画を知ったのは、クラファンの締め切りが迫り、目標額に250万円足らない時期だったという。大木さんは「彼らは我々青年部のあとに日本を背負う世代。このコロナ禍でやりたいことを制限されてエネルギーに満ちあふれている学生たちのプロジェクトを応援しよう!と、学生団体のプロジェクトに支援することになりました」とその経緯を話す。

 都築さんは、「日本YEGさんからのご支援のおかげで、無事、目標金額を大きく上回る資金が集まったので、無事、技術開発を再開することができています。11月から、いよいよ大掛かりな実験が本格的に始まるので、新しく整理された課題も含めて、取り組んでいきたいと思います。また、今回の『成層圏から撮影する炎』の映像を、『分断に立ち向かう象徴』にするため、日本中、世界中の若者を巻き込むプロモーション企画も検討しており、アイデアも固まってきたので、スタートしていきます」と話す。

 国内に関しては、360度カメラを活用することで全国の科学館やプラネタリウムを巡回し、子どもたちに夢を届け、その夢が国際協調や不平等の是正といった「共生」に結びつくような影響力を与えられるシンボルにできればと考えているという。

 都築さんは「コロナ禍だからこそ発信する価値のあるメッセージを洗練し続け、技術に落とし込み、日本中、世界中に向けてのムーブメントを展開していければと思っています」とも話す。

 クラファンは750万を目標金額としていたが、最終的には1059万4566円が集まった。これは、クラファンサイト「CAMPFIRE」の「チャレンジ」のカテゴリで歴代3位の調達金額になるという。

 クラファン終了の1週間前までは500万円ほどで、1週間で250万円を集めなくてはいけない状況だったが、日本YEGがトップスポンサーになったことで、世間から大きく注目され、最終的には1000万円の大台も超えるという結果になった。

 都築さんは「クラファン終了後も、多くの学生がメンバーに加わっています。コロナ禍の暗雲立ち込める学生界隈に夢と希望を放ち続けるプロジェクトとなれるよう、日本YEGさんと連携しながら、引き続き頑張っていきたいと思います」とますます意欲を燃やしている。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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  • 学生ボランティアメンバー

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