2020年10月24日 配信

右から「芳蔵園」園主・加納さん、「ファームコネクト」村瀬さん、石井さん、後藤さん

10/24(土)梨農家「芳蔵園」が梨の廃棄ゼロを目指してクラウドファンディング

起業した御滝中学校後輩の協力で

 船橋市内の梨農家「芳蔵園」(船橋市二和東2-7-7、TEL070-8443-1174)の6代目園主・加納慶太さん(27)が毎年発生してしまう廃棄対象となる梨の「廃棄ゼロ」を目指して、今年、梨のドライフルーツとジュースを開発。同商品は10月14日からクラウドファンディングで販売開始し、目標額の30万円を初日で達成した。

 船橋市の名産でもある梨は、毎年その収穫時期になると、キズや色、形により販売できないものや、気候などによって発生しやすくなる「蜜症」の症状が表れている梨など、販売の対象とならない梨が一定量発生する。

 加納さんによると、今年は7月の長雨の影響などから、「幸水」で収穫量の3割が販売できない梨に。もともと蜜症が発生しやすいという「豊水」は、蜜症果が今年は特に多かった。

 大学時代から6次産業に関心を持っていた加納さんは、他の梨農家さんと情報交換をし、梨のドライフルーツでの実績がある長野県の加工場へドライフルーツの製造を依頼。今年は梨のドライフルーツと梨ジュースを作ることに踏み切った。

 しかし日持ちがしない蜜症果を毎日のように出荷する輸送工賃、ドライフルーツにしてもらうための加工賃などで悩んでいたところ、加納さんが通っていた御滝中学校の後輩でクラウドファンディングに強い村瀬雄太さん(25)に、8月中旬、会う機会があり、相談したという。

 村瀬さんは今年8月末まで商社で勤務。その際にクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」などと取引きがあり、クラウドファンディングに関する知識もあったことから、加納さんに協力することに。

 その一方、村瀬さんは御滝中学校時代の同級生2人とともにWEB会社を立ち上げることを決意。9月から元同級生の石井宏一郎(こういちろう)さんと後藤憲亮(けんすけ)さんと共にWEB事業「Farm-connect(ファームコネクト)」(船橋市二和東3)を立ち上げ、3人も加納さんのプロジェクトをバックアップした。

 こうして加納さんは「Makuake」で10月14日からドライフルーツの販売を開始。クラウドファンディングで集める目標金額は30万に設定したが、初日で目標額を達成し、1週間で70万円を超えた。村瀬さんは「食品の業界で1週間で70万円を超えるというのは、稀なケース。加納さんの人徳だと思います」と話す。加納さんは「私や妻・智恵の友人らが応援してくれたほか、所属している商工会議所青年部のみなさんも応援してくださったのが大きいです」とも。

 加納さんは「実は本当の目標額は100万円なんです」とも明かす。今回製造したドライフルーツとジュースの製造にかかった金額は約40万弱だというが、「100万円達成、というインパクトも大切だと思います。また、「廃棄ゼロ」の継続を目指すためには、来年への備えも必要です。そしていつかは『船橋の廃棄がゼロ』を目指したい。農家の可能性を広げることをまずは自分がやっていきたい」と熱く話す。

 10月24日現在、集まっている額は79万100円。11月29日まで「マクアケ」で支援を受け付けている。

 今回、加納さんをサポートした「ファームコネクト」の村瀬さんは「我々3人とも、活動してきたジャンルは違うが、昔から農業に興味があったこと、共に起業したいという思いがあったことが重なって、今回会社を立ち上げた。加納さんを見ながら、農家さんのブランディングなどをサポートさせていただけたら、農業ってまだまだ新しい可能性を見出せると強く感じています。加納さんをはじめ、そうした希望のある農家さんののお手伝いをさせていただけたら」と話す。

 なお同社は、動画制作、ネット販売、サイト運用、SEO対策、広告運用、名刺やPOPなどのデザイン、制作も受けている。「年内は農業関係者からのみ、制作依頼を受け付けたい」とも。

 関連サイト:「マクアケ」明治から続く老舗農園の【廃棄ゼロ】への挑戦。梨を知り尽くしたプロの味を是非。https://www.makuake.com/project/yoshizoen/
「ファームコネクト」https://farm-connect.org/

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 芳蔵園のみなさん(提供写真)

  • 梨を使ったドライフルーツ(提供写真)

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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