10/27(水)縄文大学/きららホール
縄文時代に学ぶ現代社会を生き抜く方法
飛ノ台史跡公園博物館が主催し年に4回、毎年10月の水曜日に行われる縄文大学の最終回がこの日行われた。最終回は、國學院大学の名誉教授であり、縄文文化の第一人者である小林達雄氏を招き、定員300人のきららホールをいっぱいにして行われた。
縄文大学は、飛ノ台史跡公園博物館と関連の深い縄文時代をテーマに様々な角度から時代を学ぶ講座として人気が高く博物館開館当初から10年間続いている考古学講座だ。
講座によると、「縄文時代とは自然との共存・共栄を図る文化で、農耕でも牧畜でもない多種多様なものを食材として活用する文化を持つ」とされるのだ。多種多様なものを食材として利用することができるという点で、弥生時代に始まったとされる農耕文化よりも食に対しては安定していたと言うのだ。いかに色々なものを食材として食べるかを学ぶ縄文人は、現代人が考えるよりも驚くほど多くの食材を調達していたのだと言う。貝塚から発掘される貝の種類が、300種を超える事から証明されるのだと言う。
また、文化とは言葉が伝えるものでオノマトペといわれる擬音語が日本に伝わっていることから文化の違いを証明することができるのだという。日本人はコオロギやクツワムシ、スズムシなどの鳴き声を聞き分けることができ、それぞれの音を擬音語で表すことができる。
しかし、「日本人以外の人種には虫の声を聞き分ける事ができないどころか、虫の声を聞くこともできないというのだ。それだけ文化というものは人間本来に染み付いているものなのだ」と小林達雄氏は語る。日本語のルーツになったといわれる中国語にも擬音語という概念がなく、これらは『ひらがな』や『カタカナ』で表現することから文明が伝えた『言葉』や『漢字』は文化を伝えることができないのだとわかる。日本人は文明が伝えた『漢字』をオリジナルな『ひらがな』『カタカナ』として文化を伝えるため活用しているのだ。つまり文化は言葉に裏打ちされていると言える。
日本人は、従来から持つこの日本人特性を自信を持って発揮することで生きてゆける。縄文を勉強することは自分たちのルーツを勉強することにつながるのだ。
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