2020年09月24日 配信

施設外観

9/24(木)地域の医療機関と連携して運営する在宅ホスピス

末期がん患者や神経難病の人の「看取り」に特化

 京成線・東中山駅から徒歩7分ほど、中山競馬場との中間地点に、がんや神経難病の人のためのサービス付き高齢者住宅「在宅ホスピス 西船橋」が「ラプレ西船橋」(船橋市西船7-8-2 TEL0120-333-527)内に10月1日、開所する。

 同所を運営するのは、シーユーシー・ホスピス(本社:東京都中央区)。関西、中部地方、関東近郊、北海道を合わせ、国内に在宅ホスピスの施設を15施設運営し、「看取り」に特化した法人となる。

 同社代表の吉田豊美さんは、元看護師。訪問看護事業所の立ち上げから始まり、現在は訪問介護事業所、在宅ホスピスの運営、クラーク養成所の運営、看護コンサルティングなどを事業としている。

 「今回の施設は、船橋市では初めての取り組みをしている施設だと思いますよ」と吉田さん。「私たちは、自社だけで医療と介護スタッフを用意するのではなく、地域の医療機関やケアマネージャーさんたちと連携して運営していくスタイルなんです」とも続けた。

 地域との関わりが重要となる同所の立ち上げに関わっているのは、市内に住み、介護福祉士として現場で働いてきた経験がある吉岡瑞穂さん。同所のホスピス長を務める。吉岡さんは以前、市内で医療者と介護施設で働く人のための多職種交流会「船橋医介塾」の塾長を務めていたこともある人物。現在は、小学生の娘がいる子育てママでもある。

 「過去、福祉施設で働いていた際、利用者を病院に送り出さなくてはならず、ご本人が望んでいたような形で最期を迎えることができず悔しい思いをしました」と吉岡さん。そんな時、同法人代表・吉田さんの講演を聞いて共感、入社を希望したという。「実は入社して半年ですが、こちらの立ち上げから事業に関わらせてもらっています。これまでの地域での横のつながりをフル活用させてもらっています」と吉岡さん。

 同所は医療、看護、介護が相互に連携を取りながら運営する。施設内には常時、連携している訪問介護・看護事業所のスタッフが滞在し、入浴、排泄、食事などの介護をする。医療となる診療は、訪問診療という形で地域の医師が行う。必要時には担当医師に連絡し、指示を仰ぎ、訪問看護師が医療処置を行っていく。

 同所管理者であり看護師の川島美千代さんは「医療処置の有無に関わらず、ご本人やご家族の意思を尊重し、気持ちに寄り添う看護をしてまいります。訪問医師や訪問薬局、介護スタッフ、支援スタッフと連携し、最期まで、ここでご自分らしくくつろいで暮らしていただきたいです」と話す。

 「外部の人との連携は、時には意見がぶつかることもありますが、互いに理由があって意見しているもの。こうした意見の交換はより良いものが生まれると思っています。同じ会社の中でやっていることではないからこそ、お互いにほどよく律せられると思っています」と代表の吉田さん。「そのことで、無駄な医療の提供も減らすことができます」とも続けた。

 同所に入居できるのは末期ガン、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋委縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、ハンチントン症、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患およびパーキンソン病(諸条件あり)、多系統萎縮症、プリオン病、亜急性硬化症全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷、人工呼吸器を使用している状態の人たちを対象とする。

 建物は3階建て、1部屋は約18平方メートルで全22部屋を用意する。

 吉田さんは「私たちは、病院への逆紹介(退院して同所に入ったのに、同所だけでは医療処置が追い付かず病院に再度入院すること)ゼロを目指しています。実際に逆紹介ゼロの施設がたくさんあります」と話し、「身体だけでなく、心までも傷ついてしまった利用者様に寄り添い、身体も心も一緒に支え、生きることの素晴らしさを実感していただくことが私たちの使命です」と話した。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 筋萎縮症などを持つ人のための部屋の一例。リフトも用意できる

  • 浴室の一例。症状に合わせて別のタイプも用意している

  • 末期ガンの入居者をイメージした部屋の一例

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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